孤独死予備軍1000万人の時代へ
孤独死大国
菅野 久美子 (著)
内容
ひとりで死に、長期間誰にも発見されることがない孤独死。今後日本では100万人規模での発生が予想されているという。孤独死が起こった現場はどうなるのか、残された遺族は何を感じるのか。特殊清掃に同行した筆者によるリアルで壮絶なルポ。
書評
孤独死の数は年間3万人程度と言われているが、今後はさらに増えていくだろうと予測されている。それは単身世帯が増えているという現実がある。この現実は、人が亡くなったあとの部屋をリフォーム、転売する不動産業界が活況を呈す、という側面を生み出している。そしてその増加にひと役買っているのが、高齢化と高齢者の孤独死である。
だが、孤独死の不安を抱えるのは高齢者だけではない。これから老後を迎えるであろう団塊ジュニアやゆとり世代の人々だ。彼らはさらに生涯未婚率が高く、そのなかには孤独死の不安を口にする人も少なくない。そしてコロナ禍を経て孤独死の現場はさらなる変化を見せたという。社会から「取り残された人々」をあぶり出すことになり、孤独死の発見にこれまで以上に時間がかかるようになったのだ。
本書では、筆者が特殊清掃人に同行し、孤独死の部屋の様子や生前の故人の話を周囲の人々から聞きながら記したルポとなっている。孤独死は日本の孤独、孤立を取り巻く現状が最も残酷な姿で露呈したものと語る。確かにITの進化や介護保険、社会福祉の変化により、孤独死を減らそうという試みは常に行われ、わずかではあるが成果を挙げている取り組みもある。それでも孤独死の現場は増え続け、そこは現在の日本社会の縮図であり、映し鏡なのだ。



