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【第6回】老人ホーム入居とご本人の気持ち

さまざまな事情があって老人ホーム入居という選択をされます。入居者本人が、身体レベルの低下を自覚し、入居を決心されるケースばかりとは限りません。「想定外の入院と後遺症で落ち込んでいる本人を前になかなか老人ホームの話を切り出せずにいます」「なんとか維持してきた在宅介護に限界を感じていても、施設についての話が持ち出せません」など。ご家族からの提案の場合、ご本人には言いにくいことだと思います。

しかし、ご本人の理解がないと入居後の老人ホーム生活に不満となって表れてきます。よく「主治医や担当のケアマネジャーなどからの助言も有効」とありますが、この段階においては「説得」はできても「納得」の域に達していない場合が多いです。実際に施設に入ることで問題が解決するだろうとは理解されていますが、やはり気が進みません。

ご本人の立場になって考えてみましょう。「住み慣れた環境から全く知らない場所に住み替えなさい」と言われているようなものです。そこはどんなところで、誰がいて、自分はどう慣れていけばいいのか、不安になるのは当然です。この不安を解消する働きかけとして、老人ホームの生活という未知なる世界を少しでも知ってもらうことが大切です。

老人ホーム相談員に訪問してもらい具体的に説明してもらうなど、入居前から馴染みの顔を作ったり、見学はもとより、体験入居で実際を経験してもうらことも重要です。ご家族は良かれと思われても、雰囲気や人に合うかどうかはご本人しかわかりません。そのため、老人ホームは他にもあるから納得いくまで捜せる"安心感"を提供することも大切です。職員の明るい笑顔や温かい対応により「老人ホームも悪くないな」と気持ちを切り替えてもらいたいものです。

認知症の方についても基本は同じで、本人への説明を十分行いましょう。認知症のレベルによっては繰り返しの説明が必要です。入居後、いかに早く馴染みの人や場所を作れるかがポイントになってきますので、施設職員の協力を得ることは必須です。そのためには、入居予定者の生活歴・性格や趣味など、ご家族が把握している現役時代の生活状況など可能な限り書面などで情報提供されると喜ばれます。なぜなら施設職員は専門家として質の高い介護を提供したいと考えています。そのためにも、まずは入居予定者ご本人のことが理解できる情報を希望しています。

もちろんケースによっては、ご本人の性格上施設入居の事実を伝えることが難しく、短期的な利用から始められ、タイミングをみはからってご本人へ説明するなどの工夫が必要な方もいらっしゃいます。「ご自分が当事者ならどのように導入してもらいたいか」が原点ではないでしょうか。

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