自分の介護疲れを気にしよう!
認知症の親を介護している人の心を守る本
西村 知香 (監修)
内容
介護は、介護される人はもちろんだが介護する側の人も疲れる。しかも、介護する側の人のほうが、自分の「介護疲れ」を無視して頑張ろうとする傾向がある。本書は、介護における疲れたときや心が折れそうなときの、ケース別対処法が紹介されている。
書評
本書は筆者の経験に基づき、どのようにアプローチすれば、認知症の介護がうまく進むのかが紹介されている。介護で悩む人に「こんな考え方もあるのか」と参考にしてほしいと筆者。前向きに取り組むお手伝いをするのが筆者が本書を執筆した大きな目的だという。「完璧な介護をしたい」と思う人もいるかもしれないが、より大切なのは「完璧な介護」ではなく「続けられる介護」なのだ。
高齢者虐待が社会問題化しているが、周囲の理解を得られずに介護に行き詰まり、「相手を殺して自分も死のう」と思い詰めてしまう心境は、介護者なら共感する部分が多いはず。実際に、「マジメで一生懸命、すべてに全力を尽くす」タイプの人ほど、自死や心中に向かっていきがちだという。筆者自身もそういった事例に遭遇し、それが介護者を志すきっかけになったという。
認知症のケアは、多くの場合、長い旅の始まりと言える。さまざまな人の手を借りながら、無理なく継続することを心掛けることが大切なのだ。困っているなら、素直に困っていることを伝え、助けを借りることが家族の心身や人生を守ることにつながるのだ。
認知症は治らない病気と言える。だが、うまく付き合いながらどうしたら幸せになれるのかを模索し続けることはできる。誰もが迷いながら介護をしている。最終的に「これで良かったんだ」と思えるような介護の参考になることを筆者は願っている。



