老後の不安、法律で解決できることもある!
弁護士が教える 親の介護で困った時の介護トラブル解決法
外岡潤 (著)
内容
マンガ「ヘルプマン」を見て介護弁護士を志し、趣味で介護施設でマジックショーも行う筆者が、介護法人に対して立場が弱い利用者のためにトラブルを未然に予防する方法や、実際の利用者の悩み相談をもとにした解決に向けたアドバイスやエピソードが紹介されている。
書評
介護施設と利用者の間で介護にまつわるトラブルが起こると、施設側は法人で顧問弁護士もいるため有利だ。ケアマネジャーに相談しても、彼らも施設側の立場を代弁せざるを得ないのが現実だ。利用者の立場は弱く、表面的には解決しても利用者側には感情的なしこりが残ってしまうことが多い。こうした利用者を守る一助になるべく、筆者は本書の執筆を決意したいという。
もちろん事業所側も介護報酬が減額され、人手不足は慢性化している。職員がひとつの事業所に長く在籍することはまれである。トラブルや裁判沙汰を恐れて現場は萎縮し、スタッフにとってはさらに過酷な現場となっている。だが、利用者側の言い分は「事故を起こしたこと自体は仕方がないにしても、その後の対応に誠意がなく、それが許せない」というものがほとんどなのだ。
筆者は弁護士として裁判を武器とするのではなく、話し合いによる平和的解決で、介護の現場にもともと備わっている調和の世界と「おかげさま」の精神を取り戻したいのだという。そのためには介護の現場でトラブルが発生した場合、適切に対応することで、それが大ごとになるのを避けなければならない。それには日常のコミュニケーションや契約段階で誤解をなくし、トラブルを未然に防ぐ取り組みを重視することが大切だ。
本書が利用者と事業所がわかり合えるきっかけとなることを筆者は願っている。



