実は親だってつらいんです!
認知症の親へのイラッとする気持ちがスーッと消える本
榎本 睦郎 (著)
内容
親が認知症と診断されて介護生活が始まると、親の困った言動にイライラしてしまい、ついきつくあたってしまうことがある。しかし、一番ツラい思いをしているのは認知症と診断された親自身なのだ。本書は、親の問題行動を減らす寄り添った接し方を指南している。
書評
医師として認知症患者やその家族と接することが多い筆者は、認知症患者の認知症進行度と、介護している家族の負担感は必ずしも正比例していないという。筆者から見ればさほど手が掛かるとは思えない認知症患者に対し、家族は非常に深刻で暗い表情をしていることがあるのだと。逆に、車いすから立ち上がれないほど体の自由がきかなくなっている親を介護する家族が、楽しそうに親と一緒に訪れたディズニーランドの話をしているのを見ると、両者の違いは介護の日常生活のなかで、ささやかでも楽しみを見つけ出せるか、つらい面ばかり見続けるかの差ではないかと気づいたという。
これは介護だけではなく、人生全般に言えることと筆者。同じ状況におかれても、それをどう捉えるかで気持ちは変わる。できればポジティブに考えたほうが物事は良い方向へ進むことが多い。少なくとも認知症という病気は、家族が明るいと認知症患者も明るく、問題行動もあまり見られず、介護がうまくいっているケースが多い。
本書では、認知症でよく見られる問題行動のなかから、筆者がよく相談されるものを取り上げ、その行動の理由と接し方のコツをアドバイスしている。親の認知症の気持ちに気づくことができれば、行動の理由がわかり、接し方がわかり、その結果症状も改善し、最終的に介護の負担やストレスもグンと軽減されるという。本書はそんな未来を実現する参考書と言えるのかもしれない。



