介護者のための新しい医学書
介護に必要な医療と薬の全知識
三好 春樹 (著, 編集), 長尾 和宏 (著, 編集), 東田 勉 (著, 編集)
内容
「何度の熱が出たら受診すべきか?」、「救急車を呼ぶか、様子を見るか?」、「不眠、動悸、嘔吐などの不調への対処は?」、「薬を減らしたり、やめたりできる?」、「家と施設、どちらで看取るのが良い?」など、誰もが直面しがちな介護の最中に起こる課題への対処法が解説されている。解説するのは在宅医療のエキスパートと介護のカリスマなど、その道のプロたちとなっている。
書評
介護と医療の連携がうたわれて久しいが、両者の距離はなかなか縮まっていない。介護は医療をよく知らないし、医療は介護をよく知らない。実際、医師が診れば大半は「様子を見てください」というレベルの状態でも、介護職は医師に医療対応を求めようとするのが現実だ。
よい介護とは、介護を受ける人が持っている力を生活に活かすこと。だとすると、よい介護には医療の知識が必要不可欠だと言える。医療の知識は宝の山で、医療従事者はそれを「病気を治す」ために使うが、介護職はその宝を「老いや障がいとともに生活する」ために応用するのだ。
本書は介護職向けに書かれた医学書である。介護職にも医学の基礎知識が必要な時代となりつつある。だが、介護職のみならず在宅介護をしている家族にも役立つ内容となっている。難しい医学書とは一線を画し、イラストやイメージ図を多数配置し、記憶に残りやすい工夫がされている。利用者の尊厳を大切にした介護と、医学的にも理にかなった介護の両立を目指す上で必携の一冊だと言える。
また筆者は、介護の現場で疑問が生じた介護職の人たちが、本書を開いて医学の基本を学ぶことを願っている。



