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介護の本書評「review-kaigo」

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第371回 親の介護と自分の老後ガイドブック

早めの「老い支度」をスタートとしよう

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

親の介護と自分の老後ガイドブック
岡本 典子 (著)

内容

高齢者は「最期まで自宅で過ごしたい。家族には介護の世話をできるだけかけたくない」と考えているもの。しかし、それはなかなか容易なことではない。本書では、これらを実現するために必要となる介護サービスや高齢者施設の種類や特徴、費用、さらには高齢期に知っておきたい制度などが、ガイドブックという体裁でまとめられている。元気なうちに情報を収集して自分らしいシニアライフを送る準備をしよう。

書評

65歳以上の高齢者は3500万人を超え、平均寿命は毎年延びている。だが、要介護認定を受けて介護が必要になっている人も増え続けている。その結果、親の介護に悩む子どもが増えている。親の介護は直接的な身体介護を行うだけではなく、在宅介護における手続きやサポート、介護施設探し、身元引受人になるなど、さまざまな関わり方が求められる。

介護保険は3年ごとに改姓され、変更が点も多くてわかりにくい。まずは、いざとなったらどこに相談すれば良いのか、どんな介護サービスを受けられるのか、だいたいどのぐらいお金がかかるのかを知っていれば、比較的慌てずに適切な対応ができるだろう。

近年はサービス付き高齢者向け住宅が増えてきたこともあり、自宅を離れて住み替える人も増えている。終の棲家となる介護付き有料老人ホーム入居時自立型に入り、安心して暮らしたいと考える人も多い。どこでどのように暮らして最期を迎えるか。早い時期から考え、情報収集し、資金計画を立てておくことで、自分らしいシニアライフを送ることができるだろう。「まだ早い!」なんて言われる時期はない。高齢者社会を生きぬくには、「早めの老い支度」を始めることが重要なのだ。

本書では、介護保険を使って受けられるサービス、高齢者施設の詳細や制度がまとめられているので、これから自分らしいシニアライフを検討していきたいという方、両親の施設を探したいという子どもたち、予備知識や来るべき未来に備えて介護保険制度や高齢者施設&住宅の情報を収集しておきたいという方に役立つだろう。

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