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介護の本書評「review-kaigo」

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第367回 60歳からの暮らし方

人生の後半は、前半よりも面白い!

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

60歳からの暮らし方
浅沼 静華 (著)

内容

昔は「隠居」や「高齢者」のイメージがあった60歳。「人生100年時代」の現代では、いきいきと充実の日々を過ごす「シニア」が増えている。たとえ年齢を重ねていても、介護が必要な身体であっても、自立心を持って「自分らしさ」を大切にすれば、充実した暮らしを送ることができる。本書では、「自分らしく」「自由で豊かな」シニアライフを送るためのヒントを「人間関係」「住まい」「趣味・仕事」「お金」という4つの側面から考えている。

書評

現代の日本人が、震災や戦争以外で身の危険を感じるような災害に遭遇することはまれで、それよりも就職や転職、結婚、出産、離婚のようなライフイベントによって、生活の質が大きく変化する。これからのシニアライフを考えるなら、まずは起こりえるイベントを予測し、それに備えることで有意義な物にすることができるのだ。

60歳をシニアだと仮定すれば、昔の60歳は定年を迎え、静かに隠居するイメージがあった。しかし「人生100年時代」を標榜する現代社会においては、健康で若々しい人も多く、昔の高齢者とはかけ離れたイメージの人も多い。そして、60歳だと100歳まであと40年もあるのだ。60歳で引退の必要はまったくなく、残りの40年をどう楽しく過ごすかをもっと積極的に考えるべきだ、と筆者。

本書では誰のシニアライフにも起こりそうな問題について、あらかじめ考えてリスクヘッジしてこくことをめざしている。そのために「人間関係」「住まい」「趣味・仕事」「お金」の4つの側面から、充実したシニアライフを送るための提言を行っている。本書では「シニアライフ」を介護とは捉えず、「自分らしく生きること」と捉えている。年相応では無く、自分のやりたいことをやり、自分の居場所が常にある、そんないきいきした毎日を過ごすことが大切だ、と。

人は10年後を予測することは難しい。だが、本書はあなたの10年後の生活を俯瞰し、より良くするヒントを与えてくれるだろう。

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