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介護の本書評「review-kaigo」

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第361回 認知症の9大法則と1原則

介護が楽になる12か条をわかりやすく解説

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

認知症の9大法則と1原則
杉山 孝博(著)

内容

身近な人が認知症になったら、最初は誰でも認知症の症状に戸惑う。そして発症前の姿とのギャップに混乱するだろう。だが、認知症の人がどのような気持ちでいるのか、なぜそのような言動をするのかということが理解できるようになると徐々に受け止められるようになる。本書では、認知症の人と接する人が認知症を理解し、上手に対応できるようまとめた「認知症をよく理解するための9大法則と1原則」がわかりやすく紹介されている。

書評

認知症の人の人数は、2017年には550万人、2025年には約700万人に達するだろうとされている。これは我々にとって、認知症が極めて身近な問題であることを示している。しかし、もの忘れや失認、金銭や者に対する強力な執着、徘徊や失禁などを体験的に理解することは非常に難しい。そこで筆者は、認知症の人と接する人が、より認知症の症状を理解し、上手な対応が可能になるように工夫した「認知症をよく理解するための9大法則と1原則」をまとめた。

介護業界、医療福祉専門職、行政機関など、認知症に関わる人の数はますます増えていくだろう。本書は、どんな人でも興味を持ってもらえるようにと、マンガとわかりやすい解説のダブル構成でそれを実現している。9大法則に基づいた解説は、認知症の人の症状やその世界をとてもわかりやすく解説してくれている。

今、介護に携わっていない人も、将来自分や身内が認知症にならないとは言い切れない。普段から認知症に関する正しい知識を持っておくことは、非常に役に立つ可能性が高い。ただ、最後は一人で考え込まず、その気持ちをわかってくれる人に相談し、気持ちを聞いてもらうことが大切、と筆者。

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