介護のコラムを読む

介護の本書評「review-kaigo」

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第345回 人間だから、一緒だよ。

子育ても介護も人間の根本に関わることなのだ

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

人間だから、一緒だよ。
石井英寿(著)

内容

介護は子育てと共通点が多いという。赤ちゃんは0歳、当然ママも子育て年齢は0歳。子どもが生まれて初めて取り組むものだ。介護される人は何歳でも、初めて介護する人は介護年齢は0歳というのだ。介護施設と託児所の両方を運営する会社の代表が記す一冊は、悩める介護家族にも、悩める子育てママにも読んでほしい。

書評

自宅で介護している人は、男性が増えてきたといってもまだ女性が圧倒的に多い。そのなかでも、女性は育児を経験してきた方が特に多い。だからこそ、育児と介護に共通点があるということは、それだけで介護する人に心の余裕を与えるという。また同時に、子どもと高齢者も似ているという。どちらも同じ人間だから、筆者は共通するところがたくさんあると気づいたという。

筆者は、本書を読んでも次の日から認知症が治ることはないという。書いてあることが全部当てはまることもないという。ただ、読んだ内容の受け取り方や感じ方次第で、気が楽になることは少なからずあるはず、と。そのぐらい気楽に読んでほしいと述べている。

また、子育てと介護では違うところがひとつあり、それは「教育」だという。子どもは社会のルールをはじめ、多くのことを教育しなければならないが、高齢者は社会経験があるので教育は必要ない。だが、介護する人はされる人に対して「こうしなさい」といろいろ押しつけることが少なくないという。社会に迷惑を掛けるからと、周囲に当てはめようとするのは間違っていて、認知症を受け入れない社会が間違っていると語っている。

「障がい」や「老い」を受け入れるのは難しい、と筆者。だが、受け入れることができれば気持ちが楽になるはずで、介護をする人が「今」を楽しんでほしいと願っているのだな、と感じた。

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