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介護の本書評「review-kaigo」

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第344回 高齢者と家族のための暮らしを守る制度とサービス

介護中でも自分らしい暮らしをするための一冊

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

高齢者と家族のための暮らしを守る制度とサービス
鈴木 四季(著)

内容

人が最期を迎える場所は、医療や社会の変化とともに変わってきた。1951年には8割が自宅死だったが、2005年以降は8割が病院死となった。以降は、病院死が減り、施設死が増えつつある。そんな時代の変化を起こしているカギは介護だ。本書は今の時代に知っておくべき制度や手続きをイラストや図解とともに解説してくれている。

書評

2000年には介護保険が始まり、「措置」で与えられる介護から、利用者本人が選択し、サービス事業者と「契約」する福祉の時代へと変化してきた。在宅生活を支える介護や医療のサービスも比較的自由に受けられるようになった。

介護保険制度と同時に、判断能力が不十分で介護や福祉サービスなどを契約できない利用者本人を守り、支援するための成年後見人制度も始まった。2018年、65歳以上の総人口に占める割合が3割に近づき、超高齢化社会は社会全体だけじゃなく、個人にも差し迫った問題になりつつあるのだ。

人生の最終盤をどのように介護や福祉、医療などを受けながら日常生活を維持し、どのような最期を迎えるかは一人ひとりの人生においてとても大切なことだと思う。心身の低下や病気、障害、仕事や社会、地域からの離脱、家族関係の変化など、高齢化した人の日々の暮らしにはさまざまな問題が潜んでいる。高齢になっておぼつかなくなっても、その時にどう対処するかが人生の豊かさを大きく変えるのも事実だ。

本書では、誰もが抱える可能性のある困りごとについて、利用できる制度や手続きがコンパクトに解説されている。どこからでも良い、今知りたい、興味があるページから読み進めてほしい。

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