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介護の本書評「review-kaigo」

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第341回 オトコの介護を生きるあなたへ 男性介護者100万人へのメッセージ

男性たちの介護体験が盛りだくさん!

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

オトコの介護を生きるあなたへ 男性介護者100万人へのメッセージ
男性介護者と支援者の全国ネットワーク (著)

内容

昭和の時代、妻が介護するのが当然の時代だった。しかし今の時代はそんな考え方が通用しないこと、誰もが理解しているだろう。本書では、男性たちの介護体験を赤裸々に記し、新しい介護社会への提案としている。希望も説網も喜びも負担も、すべてが混ざった介護の実態が、世の中を変えるかもしれない。

書評

今や、介護者の3人に一人が男性という時代。とっくに100万人以上の男性が介護に勤しむ時代になっている。

これまでの男性介護は、ある程度の収入があり、週末ごとに故郷を行ったり来たりしながら、親孝行の一環として取り組んでいる…そんなイメージが合ったのは事実だ。しかし、介護者の3人に一人が男性となると、その様相はガラリと変わる。年収が低くても、自分が生きることで精一杯の男性であっても、介護の世界に否応なく引き込まれていく時代なのだ。

筆者は、男性が介護を担うことは想像以上に過酷だという。青天の霹靂と考えた男性はなおさらだという。これまでの女性介護は稼ぎ手がいる中で行われていた。家事も介護もしなければならない女性の介護者は非常に大変だったと思うが、経済的不安はあまり気にしていなかったはずだ。

男性は介護か過酷になると仕事を失う可能性が高まり、それは経済的な不安が高まる。最初は両立できても、出張できなかったり、残業できなかったり、突然帰宅しなければならない事態が増え、結局退職してしまうのだ。

オトコの介護はオンナの介護の延長線上にあるのではない。新しい介護のステージである、と本書は語っている。多くの男性介護者のリアルな声を知ることで、今まさに介護に立ち向かっている男性は、本書を読めば大きな力が湧いてくるかもしれない。

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