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介護の本書評「review-kaigo」

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第337回 男の介護 認知症介護で困っているあなたに

介護の負担を軽減し、元気に暮らすヒントがここに

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

男の介護 認知症介護で困っているあなたに
中村 和仁 (著)

内容

一人で頑張っている多くの介護者が、同じようなことで悩み、怒り、戸惑っている。この事実は、多くの介護指南書が出版されていることからも明らか。男性介護者が、介護の不安や負担を少しでも軽減し、愛する妻や親と仲良く暮らしていけるきっかけとするためのヒントが、本書には多数詰め込まれている。

書評

男性介護者が介護に取り組む上で大切にするべきことは、「自分は未熟だ」と悩まないということ。あなたは決して未熟なのではない。自分を責める必要はないのだ。誰かに相談できれば良いのだろうが、そうもいかないのが男の介護。みんなが同じような悩みを抱えていることを知り、少しでも励みになればと筆者が考えたことから、本書が出版されることとなった。

すでに、家族介護者の4人に一人が男性という報告があるが、今後この数字はますます増加していくだろう。男性にとって介護は未知の領域だ。妻や親を介護するという意識がないまま、ある日突然介護する必要に迫られることになる。当然のことながら、苦手な家事や料理にも挑戦することが必要になる。

そうした苦手な家事をやりながら、認知症の異常行動に対応することになる。誰かが覗いているとか、誰かがお金を盗んだとか、突然大声を出されたり、徘徊されたり。さまざまな問題行動に多くの介護者が戸惑い、悩みが尽きない。病気への理解がないままこうした行動に直面すると、男性介護者は冷静でいられなくなったり、虐待につながるケースもある。

本書は、同じように悩み苦しんで、なんとか頑張っている男性介護者を紹介している。彼らはみんな保内の男性介護者の役に立てればと快く取材を受けてくれたという。どんな悩みがあって、具体的にどんな対処をしてきたのか。どうやって心の負担を軽減しているのか、実際の本当の話が記されている。

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