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介護の本書評「review-kaigo」

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第338回 介護離職はしなくてもよい

介護離職なしで介護する方法をプロが指南

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

介護離職はしなくてもよい
濱田 孝一 (著)

内容

「親の介護に直面した時にすべきこと」「介護休業中は介護してはいけない」「在宅生活か介護住宅か」「素人でも見分けられる良い高齢者住宅」などのほか、介護休業の取得方法や上手な使い方などまで、本書では現場と制度を知り尽くした介護のプロが丁寧にわかりやすく指南してくれている。

書評

当然のことながら、親の介護は突然やってくる。将来の親の介護に不安を抱える現役世代は、半数以上いるという。最近の介護セミナーで必ず受ける質問が「突然の親の介護に慌てないためには、どんな準備をしておけば良いですか」というものだ。

だが、これに明確に答えられるプロは少ない。なぜなら個人の状況や身体状況など、さまざまな事情や環境によってやっておくべき準備は異なるからだ。しかも「あらゆるケースを想定して万全の準備をする」ことは事実上不可能に近い。

介護問題に直面する人は今後も着実に増えていく。そして着実に増えていくのが「介護離職」だ。介護度が上がって重度の介護が必要になると、24時間365日付き添っての対応が必要になる。そんな親が実家でひとり暮らしするのは不可能だし、特養も入所は難しい状況となると、親族の誰かが仕事をなげうって介護を行う方向へコトは進んでいく。親の介護で仕事ができない人はすでに50万人を超えているともいわれている。だが、介護離職は間違いなく負のスパイラルの入口である。

親の介護に必要なのは「気持ちの余裕」「時間の余裕」「お金の余裕」「体力の余裕」という4つの余裕が必要だ。その中で最も重要なのは、「お金の余裕」ではなく「気持ちの余裕」だ。本書はそんな気持ちの余裕を作り出すべく、介護休業制度や休業中にすべきこと、相談すべき相手、制度の内容、高齢者住宅を選ぶ注意点など、「突然の介護」が必要になる前にできることは何かを整理して示してくれている。

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