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介護の本書評「review-kaigo」

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第335回 50歳になったら知っておきたい年金・介護・高齢期の住まい・成年後見人制度・リタイア後のお金入門

人生100年時代の世の中を生きぬくために

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

50歳になったら知っておきたい年金・介護・高齢期の住まい・成年後見人制度・リタイア後のお金入門
音川敏枝 (著)

内容

人生100年時代における危機は、団塊世代が75歳になる2025年よりも団塊ジュニア世代が65歳になる2040年の方が深刻だ。本書を読めば、社会保険の実態と変化に気づき行動することで、快適な未来を創造するきっかけになるだろう。

書評

現在は「2025年問題」などと、団塊世代が75歳になることで起こるであろう、高齢者人口の増加を憂う記事が増えてきている。だが、筆者はそれ以上の困難が将来待ち受けているという持論を持っている。それは団塊ジュニア世代が65歳を迎える2040年頃を指している。団塊ジュニア世代が高齢化したとき、支える世代がいないのだ。

そんな時代を迎えようとしているからこそ、お金に関する知識、社会保険の仕組みに関する知識をしっかりと備えておくことが必要だ。その変化や実態に基づいて鼓動することが、その時の高齢者にとって快適な暮らしを手に入れる上で大きな要素を占めるからだ。そのために本書では国民年金や厚生年金をはじめとするさまざまな年金、介護保険制度、成年後見人制度、さらには離婚や投資などに関する知識も学ぶことができる。これらは筆者が考える「将来の高齢者が直面する可能性が高いであろう問題」ということでピックアップしているそうだ。

全10章の章末にはコラムが掲載されており、このコラムも役に立ちそうだ。年金のちょっとした解説やお得な共済、遺影の撮影体験レポートなど、本編とは異なる視点で老後の生活に役立つテーマが選ばれわかりやすく解説されている。

今後はさらに世の中の変化のスピードは上がっていくだろう。しかし、わたしたちの意識や対応力は年齢を重ねる未来に進むにつれて変わらないか、はたまた衰えていく人もいるだろう。その現実的なギャップも正直に書いてくれているのが好感が持てる。老後は生きていれば必ず訪れるだけに、本書を通じて色々なことに興味を持つ人になり、さらに活動的な人生を送るきっかけになることを筆者は願っているだろう。

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