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介護の本書評「review-kaigo」

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第327回 親の介護の不安や疑問が解消する本

不安や疑問解消のためにやるべきことがストーリーでわかる!

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

親の介護の不安や疑問が解消する本
田中 克典(著)

内容

団塊の世代が全員75歳を迎える2025年を控え、医療や介護のニーズはますます高まる。親の介護は誰にとっても避けては通れない問題だ。それだけに、本書では40~50歳代の子ども世代に、親の介護問題で少しでも不安や疑問を解消したいという筆者の想いが込められている。

書評

本書は、ある家族の父が脳梗塞で要介護状態になったところから始まる。この家族が、父の介護にと理組むために調べたり問い合わせたり、検討したりする物語に合わせて内容も構成されている。つまり、実際の介護保険申請から介護生活に至るまでの一連のやるべきことが、順を追って掲載されているのだ。

こうした構成になっているのは、介護保険サービスが利用手続きが煩雑でわかりにくものでありながら、流れを理解して活用できないと介護そのものがさらに困難かつ大変になってしまうからだ。もちろん流れだけじゃなく、現役ケアマネージャーが日頃の業務で体験した生きた情報もふんだんに盛り込まれている。

団塊の世代が75歳を過ぎると、認知症や内臓疾患、転倒などによる骨折など、介護を必要とする割合が格段に増えることになる。そうなると介護業界そのものの需要と供給のバランスが崩れ、介護保険サービスが簡単に使えない状況になることも想定される。これが介護難民と呼ばれる人々にあたるのだが、こうした人は確実に増えると思われる。

いざという時に慌てないために、介護保険サービスの使い方や介護の乗り切り方を知っておく必要がある。本書はそういった面で非常に役に立つかもしれない。ある日突然降りかかってくるのが、親の介護問題。「明日は我が身」と考えながら読めば、身近に感じられるだろう。

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