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介護の本書評「review-kaigo」

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第321回 介護疲れを軽くする方法

疲れ切る前に知りたい「介護で大切なこと」

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

介護疲れを軽くする方法
NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジン (著)

内容

介護花外道のりだ。しかも先が見えない。優しい人ほど、介護の負担が大きくなるという現実もある。言えることは一人で抱え込まないこと。必ず仲間がいるということ。疲れ切ってしまう前に知っておきたい、家族を介護する際に大切なことが紹介されている。

書評

家族の介護をしている人たちは、さまざまな問題に悩み、困難や葛藤を抱えている。家族介護の問題は、メディアなどでも大きく取り上げられつつある。そして介護保険制度が確立してますますクローズアップされるようになった。そして介護のあり方にも大きな変化をもたらした。

寝たきりや治療後も病院に留まる高齢者が減り、自宅で自立した生活を送る高齢者が増えたのだ。そう、何かと問題面ばかりあぶり出されガチな介護保険制度だが、プラス面も少なくないのだ。介護の大変さを軽減するためには、利用できるものは積極的に利用していけば良い、と筆者。しかし、介護保険ですべてのサービスを賄うことはできないため、経済的負担が増大しているという。

中には24時間365日体制で、家族の介護に携わっている人もいるぐらいだ。しかも、家族の介護は家事の延長線上に位置づけられてしまうため、無償労働になるケースが少なくない。厳しい仕事と言われる介護をそのような状態で続けることは、プロの介護士でも考えられない。しかし、家族であるという理由だけで負担が顧みられない時代が続いてきた。真面目で優しい人ほど、心身ともに疲れ切り、介護を負担に感じるようになり、ひいては介護を負担に感じる自分自身を責めるようになったりする。それが、介護虐待や介護殺人、介護心中などに繋がっていくのだ。

本書では「無理をしない」「ガマンをしない」ことを良しとし、そうするための方法や考え方、制度の活用方法などをアドバイス、解説している。ほかの介護家族がどのように負担を軽減しているのか、具体例も掲載されている。介護においては、皆ひとりではない。繋がっていくことが大事なのだ。

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