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介護の本書評「review-kaigo」

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第314回 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話

節約が実は「節約」になっていない!?

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話
佐藤 治彦

内容

年金制度崩壊、医療費アップ、増税、物価上昇、療護破綻など、老後の不安を煽るようなニュースを目にする。一般的に老後を安心して暮らすには3000万円近い貯蓄が必要とされている。そのために若い時代を節約とガマンで過ごしている人が多い。それは実は節約ではないことが多いという。それはなぜかを探る。

書評

本書は、人生を通してお金のことで無用な苦労をしないためにどうすれば良いかを考えてもらうために書いた本だ、と筆者。そのため、老後だけではなく20歳代から60歳代に至るまでのお金と生活についても触れられている。なぜなら現役時代の延長線上に老後が存在するからだ。

ただ、老後のために現役時代の楽しいことを我慢するという人生はつまらないという。若いときに楽しんで、老後もどうするかを考えるしかない、と筆者。ただ、良くあるマネー本のようなただ不安を煽るだけのような内容ではない。人生とお金の新しい関係について斬新なアイディアや材料を提供し、自分たちで考えるための本となっている。思いきり人生を楽しみ、お金と良い距離を保つための一冊となっている。読み終えたときには、お金に困らない人生を歩むスタートラインに立てている、という寸法だ。

本書では生命保険や年金制度、健康保険制度、教育費などに加えて、自己破産や生活保護といったイザという時のためのヒントも書かれている。今すぐ必要な知識ではなくても、この本にこんなことが書いてあったと思い出すことができれば、自身のみならず親戚や友人などを助けることができるかもしれないのだ。

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