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介護の本書評「review-kaigo」

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第313回 認知症介護が楽になる本

介護が辛いという気持ちを解消する方法

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

認知症介護が楽になる本
三好 春樹/多賀 洋子 (著)

内容

理学療法士と介護家族が、それぞれの視点から「良い認知症介護」を模索した本。介護が続が感じる「家族が認知症かも」「認知症の人は何を感じて、何を考えているんだろう?」「認知症であることを本人に告げた方が良いのだろうか?」など、の気持ちや疑問を解決するヒントが書かれている。

書評

多くの介護施設やリハビリテーション施設で高齢者とともに過ごしてきた作業療法士と、アルツハイマー型認知症の夫を介護し、最期まで看取った介護家族。この両者がそれぞれの視点から、認知症患者との接し方や関わり方のヒントが書かれた一冊。

第一部は「認知症を生ききること」と題し、過酷で胸がうずくほどの苦しみや困難を経ながらの介護生活や、その後に訪れた実続きとも呼べる日々の体験を紹介。第二部は「介護職はどう認知症をケアするのか」と題し、介護を受ける人本人の生活を大切にし、同時に穏やかに過ごしてもらうためのケアのコツを紹介している。

第三部は「対談 家族と介護職にできること」と題し、家族の心の負担を減らし、良い介護をめざすためにどうするべきなのか。著者ふたりによる対談形式でそのヒントを探っている。

特に最終部の作業療法士と介護家族という筆者ふたりの対談は軽妙でユーモアに富んでおり、非常に興味深い。中でも、女性よりも男性の方が何も言わずに抱え込み、自立しようとするから孤立してしまうという内容を読んで、思わず真剣に自分の未来について想いを馳せた。

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