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介護の本書評「review-kaigo」

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第315回 日経記者に聞く 安心老後、危ない老後

取材力があるからこそわかった、すぐそこにある危機。

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

日経記者に聞く 安心老後、危ない老後
後藤 直久

内容

日本の高齢化は非常に進んでいる。高齢化社会から超高齢化社会へと変貌を遂げつつあるのが現状だ。本書では、老後生活の疑問や不安、リスクを具体的に取り上げながら、高齢者自身やその家族が為すべきことが考察されている。

書評

2035年には3人に一人が65歳以上になるという超高齢化社会。社会がどうなっているのか想像もつかないというのが実際のところだ。だが、その世界は確実に近づいている。

言えることは、公的年金の仕組みを大幅に変えないと、制度を維持することができないということ。65歳以上でも稼げる人は「支える側」に回る必要があるのです。公的医療保険制度や雇用保険制度といった他の社会保険制度はもちろん、税金の仕組みも超高齢化社会にふさわしい形に変えていく必要がある。生活保護などの社会福祉制度も同様だ。

経済や社会のあり方が大きな変革を求められる中で、「不安」や「リスク」に従来以上に直面することになる。元々老後生活は、病気にかかったり、介護が必要になる場面が増える。

認知症になる可能性があるし、悪徳商法の被害者になる可能性も高まる。住まいや相続税対策なども必要なのだ。老後資金をどう確保するかが大きな関心を集めているが、仮に老後資金が潤沢にあっても不安やリスクがなくなることは決してないのだ。100%安心な老後を実現するのは難しいが、老後に直面するさまざまな課題に対して解決策の見当や準備をするためにも、あらかじめ向きあっておくことは必要だ。

そこで本書では、老後生活の疑問や不安、リスクに対してどうするかを豊富な取材力を通して検討されている。万人向けの処方箋は存在しないのが老後だが、少しでも危険を避け、安心な老後に近づくためのヒントが用意されている。

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