介護のコラムを読む

介護の本書評「review-kaigo」

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第311回 介護する人・される人のきもちがわかる本

介護は葛藤の連続なのだ!?

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

介護する人・される人のきもちがわかる本
北川なつ (著, イラスト)/ 柳本文貴 (監修)

内容

介護する家族の気持ちや施設や在宅介護の現場で働く人の気持ち、家族や介護職員に介護を受けている人の気持ちなど、色々な立場の人たちの気持ちがたくさん描かれている。本書があれば、介護をする人も、される人も、みんな笑顔になれる。

書評

本書は、介護する立場の人、される立場の人、それを見守る立場の人が、それぞれどのようなことを考えているかを伝えることで、お互いの気持ちを知り、そうすることで何かが変わっていくことを願って作られている。

介護をしていた人も、いずれは介護をされる側に回ることになるし、世話をしながら育てた子どもにやがて世話になるのだ。相手の気持ちを知ることは難しいが、実は自分の中にある気持ちに気づくことなのかもしれない。

筆者は「話の繰り返しは親身に聞き流す」「風呂嫌いには気持ちを先に温める」といった『ゆる介護』を実践しているそうだ。本書では全体を通して、この『ゆる介護』を推している。

本書は介護をする人やされる人といった役割を超えて、人と人としてお互いの気持ちに触れ、関わりを深めていけるところが素晴らしい。本書を読んでいると、寂しさや恥ずかしさ、諦めや楽しさなど、たまたま高齢だったり、認知症という病気を患っていたり、介護する側だったりするが、みんな持っている気持ちは同じモノなのだと実感する。

本書を読むことが、介護する人も、される人も、みんなが笑顔になれる介護の現場を生み出す第一歩になるかもしれない。

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