介護のコラムを読む

介護の本書評「review-kaigo」

戻る

第310回 マンガでわかる 認知症の人の心の中が見える本

認知症の人は記憶しようと頑張っている!?

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

マンガでわかる 認知症の人の心の中が見える本
川畑 智 (著)/浅田アーサー (イラスト)

内容

認知症になると何もわからなくなる、認知症になると本人も家族もみんな不幸になる……それらはすべて誤りだ。認知症の人の心の中に、私たちと少し異なる世界が広がっている要るに過ぎないのだ。本書は認知症の人を見る目が変わるほどのインパクトがある。

書評

「認知症」という言葉は、「認知」、つまり「わかる力」が障害を受けていることを意味する。世界的に見ると、認知症の患者数は急速に増加しており、数秒に1人の割合で増加しているという。今後、認知症は日本のみならず世界的な問題に発展していく、と筆者は睨んでいる。

だが、介護のプロといえる筆者から見れば、人々は認知症をいまだに理解しておらず、認知症に対して認知症なのではないかと思ったりするそうだ。

普通の人は認知症は「不幸な病気」だというイメージがあるかもしれない。認知症ほど不幸に直結するイメージはないといえるかもしれない。これはメディアによって作られたイメージだ。しかし実際は、認知症と診断されたからといって急に何もかもわからなくなるわけではない。障がいのある脳の部位に応じて、「覚えるのが苦手になる」「場所や遠近感を掴むのが苦手になる」など、生活のさまざまな場面で苦手や不便が生じるに過ぎない。その苦手や不便を上手にサポートすれば、認知症の人でも不幸になることはなく、最後までその素晴らしい人生を全うすることができるという。

筆者は、認知症の進行予防の薬は多くの薬が開発されているが、まだまだ安心できる人が寄り添う「人薬(ひとくすり)」が、最も認知症に効果のある薬だと考えているそうだ。

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ