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介護の本書評「review-kaigo」

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第309回 親が倒れたら、まず読む本

介護の質を落とさずに、ストレスを減らす方法

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

親が倒れたら、まず読む本
渋澤 和世

内容

人生の多くの時間を犠牲に家族としての義務感で真面目に介護をしていると、必ず自滅してしまうのが介護の恐ろしいところだという。フルタイムで働き、家事や子育てと並行しながら10年以上介護を続けてきた在宅介護のエキスパートがそうならない介護方法を紹介!

書評

10年以上介護をしてきた筆者が最も伝えたいことはこの3つに凝縮されているという。
1.「気持ち、お金、時間」の現実と向き合う
2.「~でなけえればならない」にこだわらない
3.「幸せの基準は人それぞれ」を理解して他人と比べない

介護は、時にやるせない気持ちになって投げ出したくなるものだ、と筆者。「ムリ、ムダ、ムラ」の中で最も禁物なのがムリで、自然体で居続けることこそが介護で最も大切な心構えだという。その想いは、介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せには慣れないという思いから生じている。

介護する上で大切な視点は以下の3つだという。
1.必要なものやサービスにはお金を使って手抜きする、介護はお金で買う
2.時間をかけるかかけないかは、結果的に得をするかしないかで判断する
3.介護に完璧はない。良いことを化投げながら気持ちを切り替える

こうした取り組みを現実のものとするには、家族でよく話し合うことが大切だという。介護はきれい事では片付かないもので、本当はどうすれば家族にとって一番良い結果を得られるのか、本音で話し合うことが大切だという。何かを優先させたが故に、ほかを少し諦めなければならないこともよく起こる。そういった場合も、家族で一樹を統一してれば少し考え方を変える事で、改めて前向きに介護に取り組んでいけるという。

親の介護はいつやってくるかわからない。だから怖いかもしれない。でも、予備知識を持っておけば多少は安心できる。本書を読んで、「この程度の予備知識で良いのだな」と思うことで介護に対するイメージが少し具体的になって明るくなれば、それは筆者の願いが実現したことになるだろう。

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