要介護4の母、要介護1の父と同居中。子どもは既に独立しており、遠くで暮らしています。
一緒に暮らす妻が、洗濯、掃除、食事、母の紙おむつ交換、着替えなどを行ってくれるのでなんとかなっていますが、妻の両親も高齢のため、そちらのサポートも必要。仕事から帰った後や週末などは私が両親の介護を行っている状況です。
母:帯状疱疹、腰椎圧迫骨折、認知症
父:悪性リンパ種、高血圧、膝痛、認知症の疑いあり
兄がいるのですが、離れたところで暮らしています。子どもの頃から折り合いが悪いので、こちらから頭を下げて助けてもらうのも気が進みません。
現在は、慢性的な睡眠不足で、仕事でもミスを繰り返すなど悪影響が出ている状況です。ストレスの溜まった妻と言い合いになることも増えてきました。便臭や体臭などにも、慣れることができません。
介護休暇や介護休業など、会社に両立支援制度があることを教えてもらったので、まずは介護休暇から使っているんですが、両親2人の介護に対して、1年あたり10日休めるぐらいでは焼け石に水。あっという間に使い尽くしてしまいそうです。
何か、少しでもラクになる方法はないでしょうか?
ご両親の希望や、さまざまな事情から在宅介護を選択しておられるのだと思いますが、ごく普通に考えて、要介護4の方を在宅でサポートし続けるのは至難の業。
ご両親ともに複数の持病を抱えているうえ、お父さんにも認知症の兆候が見られているようなので、今後ますます、介護の負担が大きくなることが予想されます。
在宅介護を続けるにしても、さまざまな制度やサービスをフル活用すること。そして1日でも早く、施設介護を検討して移行することを強くオススメします。
また、会社の両立支援制度は介護をするためのものではありません。あくまで、仕事を継続するために必要な介護体制を構築するためのものです。
ここを間違えると大変な失敗に繋がりやすいので、十分にご注意ください。
「介護休暇」「介護休業」という名称なのに、介護をしてはいけないんですか?
はい、その通りです。
「介護支援制度」ではなく「仕事と介護の両立支援制度」なので、「自ら介護することありき」で考えると、大きな間違いをおかしやすくなります。
正確に言えば「介護【体制構築】休業」「介護【体制維持】休暇」ぐらいのイメージでとらえるべきだと思います。会社の制度を「日常的な介護に活用する」のはやめましょう。逆に、「いざというときのために温存しすぎる」のも避けたほうが良いと思います。あくまで、介護体制を整え、維持するために活用することが重要です。
「介護休暇」オススメの使い方
・ケアマネジャーとの面談、サービス調整
・通院のサポート
・施設見学 など
「介護休業」オススメの使い方
・腰をすえた施設の検討、見学など
・終末期の看取り など
時短勤務などもありますが、収入が減って人生設計に悪影響が出がちなうえに、介護負担が増え続けることにも繋がるので、私としてはあまりオススメできません。
親の希望はさておき、できるだけプロに任せることが長期化しやすい介護期間を乗り切るために重要なポイントです。
通常の有給休暇については、自身の病気などの備えや、夫婦でのリフレッシュなどに充て、なるべく介護とは切り離すことをオススメします。
なるほど。両親への具体的な対応については、どのあたりに気をつければ良いですか?
現状だと、相談者さんや奥さんに多くの負担がかかりすぎだと思います。
ケアマネジャーに相談して、サービス内容の見直しと増強を依頼しましょう。
要介護4のお母さんについて
・訪問介護、夜間対応型訪問介護の回数を大幅に増やす
→紙おむつ交換、清拭、着替えなど身体介護を優先
→臭いの問題は、訪問介護に排泄ケアを任せることで大幅に軽減できる
・訪問入浴サービス(週1〜2回)
→入浴介助の負担を完全にアウトソースする
・短期入所(ショートステイ)
→月に1〜2週間など、妻の休息時間や夫婦の睡眠時間を確保
・デイサービスの回数を増やす
→日中不在にすることで介護負担・見守り負担を軽減
要介護1のお父さんについて
・デイサービスの回数を増やす
→日中不在にすることで介護負担・見守り負担を軽減
・訪問リハビリ
→膝痛対策と生活機能維持
・配食サービスの検討
→食事準備の負担軽減
次に睡眠不足対策のポイントですが、介護する側が適切な睡眠時間を確保できないと、心身の不調の原因に直結します。介護の質の低下や、日中の活動への悪影響も起きがちなので、ぜひ改善したいところです。
すぐに実行できる睡眠不足対策
・紙おむつの吸収力強化
→夜間専用の高吸収タイプに変更
・夜間対応型訪問介護の積極的な利用
→夜22時、深夜2時などの訪問も可能
・見守りセンサーの導入
→離床センサーで異常時のみ対応
検討すべき睡眠不足対策
・小規模多機能型居宅介護への切り替え
→必要に応じて、ショートステイも適宜利用できる
→ただし、ケアマネジャーが従来の人と変わってしまう
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護への切り替え
→24時間、必要なタイミングで訪問介護を行ってもらえる
→ただし、ケアマネジャーが従来の人と変わってしまう
さらにもう少し踏み込んだことを言うなら、ご両親の希望にかかわらず、少しでも早く、施設介護を検討すべき状態だと思います。施設介護についてはいろいろと解説動画を出しているので、そちらもご覧ください。
また、お兄さんに対しても、ご両親の現状を伝えたうえで、「介護費用の一部負担」「相続放棄」などについて相談されることを強くオススメします。今のままだと、介護が終わった際、相談者さんご夫妻だけが損をすることになりかねないので。
結局のところ、私が変に意地を張って抱え込んでいたんですね。父は、以前から「施設に入ってもいい」と言っていたんですが、私が止めていました。
やるべきことが見えたので、妻や両親、兄とも話してみようと思います。




