東北地方で70代の母がひとり暮らし中。現在は元気です。
兄、妹も実家近くにいます。
今、現在は問題無いのですが、今後、母が要介護になった場合、兄、妹ばかりに介護を押し付けるわけにはいきません。
遠方にいる私にできることを教えてください。
介護が始まる前に、遠方に住む家族として「できること」を考えておられる姿勢が素晴らしいですね。
介護が発生した際、近居の兄妹は「日常対応」で手一杯になりがちです。離れて暮らしている相談者さんは、ある程度、冷静さを保つ環境にいられるわけなので、そこを生かしたいところ。
情報収集・手続き・金銭管理・冷静な判断といった「頭脳部分」を担当することで、大きく貢献できるのではないでしょうか。
また「介護は家族だけでするものではない」という認識を、兄妹全員で共有することが重要。
これこそが、兄妹全員が破綻せず、お母さんも適切なケアを受けられる唯一の道だと思います。
なるほど、確かに言われてみればその通りですね。
ぜひ、実行していきたいので、具体的に取り組むべきことを教えてもらえないでしょうか?
では、私なりにオススメのステップをまとめてみました。
1.家族などとの役割分担について、とことん話し合う。
①お母さんの希望を聞いておく
元気なうちに「介護が必要になったらどうしたいか」「施設も選択肢に入れるか」「延命治療の希望」などを聞き出し、兄妹全員で共有しておきましょう。
ただし、すべてお母さんの言いなりになる必要はありません。むしろ、言いなりになるのは危険です。希望は希望として受けとめたうえで、現実的にできることとできないことを仕分けることが大事です。
②話し合い、役割分担をしっかり行う
「全員で平等に負担する」のではなく、得意分野や実際に担当できることで分担する発想が大切です。
・近居の兄妹:緊急時対応、定期訪問、通院同行など
・遠方の相談者さん:情報収集・手続き・金銭管理・ケアマネジャーとの連絡窓口など
③家族間の連絡ツールを決める
LINEグループなどで、日常の様子や通院情報を共有できる仕組みを作っておくと、遠方でも状況を把握しやすくなります。
2.実家近くの窓口も含め、介護制度などの情報収集を行う
①地域包括支援センターを把握する
実家を管轄する地域包括支援センターの連絡先を調べておきましょう。介護が始まる前から介護中など、さまざまな場面で相談に乗ってくれます。総合事業や介護保険の申請を行う窓口でもあります。
②介護保険など公的制度を把握する
要介護認定の流れ、利用できるサービス(デイサービス、訪問介護、ショートステイなど)などを押さえておきましょう。親ケア.com公式サイトも、きっとお役に立つはずです。
3.介護発生後は、情報収集・手続き・金銭管理・冷静な判断などを担当する
①金銭管理・事務手続き
・介護保険申請、各種手続きの代行
・介護費用の管理、医療費控除の申請
・ケアマネジャーなどとのメール・電話でのやり取り
→内容によっては、近居の兄妹にまかせたほうが良い場合も
②情報収集と判断支援
・介護サービス事業者の比較
→「介護サービス情報公表システム」を活用
・医療情報の整理、セカンドオピニオンの手配
・介護用品のネット購入・配送
・施設選び、サービス事業者の比較
③定期的な帰省
・兄妹の負担を軽減するため、計画的に帰省(多くても1-2カ月に1回程度)
・帰省時に通院同行、買い物代行、掃除などを集中対応
・兄妹と直接会って、精神的サポートも実施
④オンラインでの見守り
・LINEのビデオ通話などでお母さんの様子を確認
・(必要に応じて)見守りカメラやセンサーの導入
最も重要なのは、「家族で介護を抱え込まない」ことです。「兄妹だけで介護をする」という前提を捨てることが、全員を守ることに繋がるはずです。
例えばですが、兄妹が仕事を辞めて介護に専念すると、経済的に破綻するリスクがあります。地方の場合、周囲から「子どもが近所にいるなら、介護するのが当然」と期待されがちですが、プロの力を借りることは決して親不孝ではありません。
お母さんの希望を聞く際には、現実的な内容かどうかを常に意識しましょう。「子どもに迷惑をかけたくない」と言いつつ、施設入所を拒むケースも珍しくありません。子どもたちが倒れたら、結局お母さんを守れなくなります。お母さんひとりの希望を守り、全員が共倒れにならないような判断が重要です。




