1年前に仕事を辞めて実家に戻り、認知症で要介護2の母に付き添っています。
私が風邪で寝込んでいるときでも、母の分の食事を作るなど精いっぱいに頑張っているつもりなんですが、母のワガママや暴言が日を追うごとにエスカレートするので困っています。
「お前は気が利かない」「役立たず」「私が年金で食わせてやっている」「家賃ぐらい払え」など、好き放題に言われるので、私もキレて言い返してしまうことがあります。
そのくせ、「他人の世話になるぐらいなら死んだほうがマシだ」「産んでやった恩を返せ」などと言って、訪問介護やデイサービスなどの利用もすべて拒否。ケアマネジャーからは、「何か、サービスを利用することになったら連絡してください」と言われ、特に何もフォローしてもらっていません。
「私の家事や料理が気に入らないなら、プロにやってもらおう!」と言うと、「私を見捨てる気か!」と泣くわ、騒ぐわで大変です。最初の頃は近所の人が心配して家まで来たりしていたのですが、最近は慣れてしまったのか、母が騒いでも誰も家に寄りつきません。
ただ母は、自分が近所の人から敬遠されていることも理解できず、お隣さんが回覧板などを持って来てくれると「うちの娘は役立たずで」「仕事の一つもせずに、恥ずかしい」など、私の悪口を言いふらしています。
認知症と診断してくれた医師は、私が子どもの頃からお世話になっている近所の内科医院。母が通院を拒んでいるので、認知症の治療はできていません。母と同居して以来、私のほうが体調を崩しがちで、この1年は重い便秘と下痢を繰り返しており、毎月のように医院に通って、ついでに母についての愚痴を聞いてもらっています。医師から、「お母さんが認知症の治療をする気になったら、すぐに連れてきてほしい」と言われていますが、実際にはいつ連れて行けるかもわかりません。
母のために仕事まで捨てたのに、いつまで私は苦しまなければいけないんでしょうか?
介護というのは、どこまでやれば良いものなんでしょうか?
仕事を辞めて実家に戻り、認知症のお母さんと向き合って1年。風邪で寝込んでいてもお母さんのご飯を作り、毎月のように自身の通院まで重ねてこられた……。本当にお疲れ様です。
「いつまで苦しまなければいけないんでしょうか」という言葉は、相談者さんの心から出たSOSだと受けとめさせていただきました。
これからお伝えするのは、「相談者さんのやり方が間違っている」ということではありません。「相談者さんは充分すぎるほど頑張ってこられた」ということ、「もっと頑張るのではなく、介護を誰かの手に託す時期に来ている」ということをお伝えすることを目的としたものです。
取り急ぎ行動すべきことを5つ挙げてみますね。
【行動1】まずは自らの心身を休ませる
この1年、便秘と下痢を繰り返し、毎月のように通院されているとのこと。それはきっと、ご自身の体が「少し休んで」と悲鳴を上げているんだと思います。お母さんのために走り続けてきた1年間、あなたの心身は本当に頑張ってきました。
例えばですが、週に1回は何もしない日を作って、ご自身を休ませてあげてください。家でお母さんと顔を合わせる環境だと落ち着かないのであれば、携帯を着信拒否にした応対で、一人で外出するのも良いでしょうね。お母さんの食事は、当面、宅配弁当を利用したり、作り置きの料理を並べておくなどしておけば、十分だと思います。
【行動2】認知症初期集中支援チームに相談する
「認知症と診断されているのに治療ができていない」「介護保険サービスが利用できていない」「相談者さんひとりに負担がかかっている」という現状は、まさに認知症初期集中支援チームが力を貸してくれるような事例です。
イヤがるお母さんを医療機関に連れて行く必要はありません。相談者さんが相談するだけで、専門家に動いてもらうことができます。まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターに足を運び、「認知症初期集中支援チームに相談したい」と伝えてみてください。
【行動3】介護を第三者に託していく
ケアマネジャーさんから「サービスを利用することになったら連絡してください」と言われたままとのこと。しかし、その状況が続けば、相談者さんの心身がさらに弱っていく恐れが大きくなるばかりです。
認知症集中支援支援チームが関わるようになれば、ケアマネジャーさんも動きやすくなります。相談者さんが一人でお母さんを説得しなくても、チームとケアマネジャーさんが一緒にお母さんに働きかけてくれます。訪問介護、デイサービス、ショートステイ……。使えるものがあれば、少しずつでも試してみてください。あなたが直接担う介護を減らしていくことは、決して「手抜き」ではありません。長くお母さんを支えるための正しい選択です。
【行動4】相談者さん自身を優先する
「他人の世話になるぐらいなら死んだほうがマシ」「産んでやった恩を返せ」などと言われると、胸が張り裂けそうになると思います。でも、お母さんのこの言葉は認知症の症状によるもの。すべてを大真面目に受け止めていたら、相談者さんの心身が保ちません。
お母さんの希望をすべて叶えることが、必ずしも介護の正解ではありません。介護の本来の目的は「お母さんにも、相談者さんにも、安全で穏やかな生活を送ってもらうこと」です。相談者さんが倒れてしまったら結局、お母さんは誰かのお世話になることになるはず。ならば、元気なうちに専門家の手に託したほうが、お母さんにとっても良いはずです。
【行動5】自分らしい生活を取り戻すことを諦めない
仕事を辞めて実家に戻られたとのこと。介護の負担が軽くなったときに、ご自身の生活を立て直す日が来るはずです。前の職場に戻れるようなら、それも大きな選択肢になるはず。必要に応じてハローワークなど、仕事に戻るためのサポートを受けることも検討してください。
今はまず、ご自身の体調を整えることからで構いません。相談者さんの人生は、お母さんの介護のためだけにあるのではないことを、改めて強く意識していただきたいと思います。。
【最後に一つ、荒療治】
いろいろと試してみても、お母さんがどうしても変わろうとしない場合……すべてのサービスを拒み、専門家の介入も受け入れず、あなたへの暴言がエスカレートするようなら、荒療治として、実家を離れてお母さんとしばらく連絡を取らないのも一つの方法です。
これは決して「お母さんを見捨てる」ことではありません。お母さんが「娘がいないと困る」という状況を経験することで、初めて外部の支援を受け入れるきっかけが生まれることがあるからです。相談者さんが共に暮らし、自分の要求に応えてくれる限り、お母さんにとって「今のままでもいい」という感覚が変わらないかもしれません。
実家を離れたあとも、地域包括支援センターにお母さんの状況をお伝えし、見守りをお願いすることはできます。相談者さんが同居しなくても、お母さんの安否を確認する仕組みがあるんです。
介護は「限界まで頑張る」ものではありません。「介護する家族が、壊れない範囲でやる」のが正解だと思います。すでに体調を崩されている相談者さんに必要なのは「もっと頑張ること」ではなく「誰かに託すこと」だと思います。
迷ったら、まずは地域包括支援センターに電話してみてください。ひとりで抱え込まなくても良い道は、必ずあるはずです。
心優しいメッセージを読むうちに、泣いてしまいました。
「母に言うとおりに頑張るしかない」と思い込んでいたんですが、目の前が明るくなった気がします。
このまま私が倒れてしまっては、母も生きていけないので、いろいろと割り切って動いてみようと思います。





