先日、父の要介護認定の更新があったのですが、要介護3から要介護1に下がってしまいました。状態が良くなった結果ならともかく、3年前より体力も落ち、ベッドで横たわる時間も長くなっています。また、認知症も悪化しており、主治医からは「これ以上強い薬はオススメできない」と言われている状態です。
親ケア.comの動画を見て、訪問調査の準備も行っていたんですが、調査員さんは同席した私の話をまともに聞こうとせず、父とだけ話して帰っていきました。調査員さんが行った質問もそんなに多くなく、しっかり調査してくれたかについて、正直、不信感があります。一応、メモは持ち帰ってくれましたが、ちゃんと読んでくれたかもわかりません。
認定結果を聞いたケアマネジャーから、「従来通りにサービスを使うのは難しい。現在、利用しているサービスのどれかをやめるか、回数を減らすことになる」と言われて、とても困っています。
状態が悪化しても、要介護度が下がることなんてあるんでしょうか?
またこれから、何をすれば良いでしょうか?
お父さんの状態が悪化しているにもかかわらず、要介護度が下がってしまった。しっかり準備して臨んだのに、調査員さんが相談者さんの話を真摯に聞こうとしなかった。……心配と悔しさを感じておられることと思います。
残念ながら、状態が悪くなっているにもかかわらず、要介護度が下がってしまうケースは珍しくありません。むしろ、全国的に増える傾向にあると感じています。
これは、少子高齢化とともに社会保障費が増え続けるなかで、介護について行政側として支えていくことが困難になっているという背景があるのではないでしょうか。要介護度が低く出る傾向の強い市区町村もあり、私のもとにも介護家族の方々から嘆きの声が届いています。
実際のところ、私の母も生前、状態が悪化しているにもかかわらず要介護3から要介護2に下がってしまったことがあります。そのときはケアマネジャーさんと協力して、今回ご紹介するような手続きを行い、本来の要介護3と再認定されました。
また、市区町村などの財政状況にかかわらず、要介護度が決まるまでの流れのなかで問題があると、実態に即した認定結果が出ないことが起こります。
【認定が決まるまでの流れ】
① 訪問調査……調査員が自宅に来て聞き取りを行う
↓
② 1次判定……コンピュータが①の調査結果をもとに仮の要介護度を計算する
↓
③ 主治医意見書……お父さんのかかりつけ医が書類に必要事項を記入する
↓
④ 2次判定……介護認定審査会が②と③および、調査員から提供された特記事項をもとに判断する
↓
⑤ 最終的な要介護度が決定
上記の①~④のいずれかで問題が発生すると、今回のように要介護度が下がりすぎたりします。
今回の場合、①の訪問調査自体がずさんだった可能性が高いと思われます。問題点を挙げるなら、次のような感じです。
↓
・質問が少なかった……74項目の聞き取りが十分に行われなかった
・家族の話を聞こうとしなかった……調査員マニュアル上、家族からの聞き取りが推奨されているのにそれが行われなかった
・お父さんとだけ話して帰った……できないことを「できる」と伝えてしまい、それを鵜呑みにされた
・メモは持ち帰ったが読まれたか不明……特記事項に実態が反映されていない可能性がある
次に、これからの対応ですが、6つのステップに分けて行動することをオススメします。
【ステップ1】市区町村に「情報開示請求」をする
地域包括支援センターまたは市区町村の介護保険課で「情報開示請求」の手続きをしましょう。
下記の資料について、資料の控えを入手してください。
↓
・認定調査票
・主治医意見書
・1次判定結果
・介護認定審査会での判定に関する資料
【ステップ2】認定調査票を見て「実態と違う」箇所をチェックする
開示された認定調査票を見て、実態との違いをチェック。違う部分を箇条書きにまとめましょう。
主なチェックポイントは、下記の通りです。
↓
・「自分でできる」となっている項目で、実際は介助が必要なものはないか?
・「特記事項」の欄に、相談者さんがメモで伝えた内容がちゃんと書かれているか?
・認知症の行動(夜間の大声、徘徊など)が記載されているか?
・ベッドで横たわる時間が長いことが反映されているか?
【ステップ3】「区分変更申請」をする
地域包括支援センターまたは市区町村の介護保険課で「区分変更申請」の手続きをしましょう。
要するに「訪問調査からやり直してほしい」と伝えるわけです。
区分変更申請は、いつでもできます。期限はありません。
【ステップ4】主治医に意見書の見直しを依頼する
開示された主治医意見書の内容を見て、以下の点を主治医に伝えましょう。
↓
・認定結果が要介護3→要介護1に下がったこと
・家族として、実態との乖離があると感じていること(特に認知症の進行、寝たきり時間の増加)
・意見書で特に記述を充実してほしい点(認知機能の低下、状態の安定性)
特に「状態の安定性」についての記述が重要です。厚労省の基準では、「概ね6カ月以内に状態変化が予測される」場合、要介護度が上がる方向に働きます。主治医が「症状は安定」とだけ書いていると、認知症が進行していても「安定=介護の手間が増えない」と解釈されてしまうリスクがあります。
【ステップ5】再調査に向けて「介護の実態メモ」を準備する
ステップ4を行うのと同時に、ステップ2でまとめておいた「訪問調査票と実態の違い」を整理。
下記についても細かくまとめておくと、調査員により正確な情報を伝えやすくなります。
↓
・1日の生活スケジュール(何時に起き、何時間ベッドに横たわっているか)
・具体的な介助場面(食事、排泄、入浴、移動のそれぞれでどの程度の介助が必要か)
・認知症の行動・心理症状(夜間の大声、ふらつき、転倒の頻度と内容)
・3年前との変化(「3年前は〇〇できていたが、今はできない」の比較リスト)
・主治医の指示(「これ以上強い薬はオススメできない」と言われた理由と状況)
【ステップ6】再調査当日は相談者さんも同席する
家族として、同席して伝えるべきことはしっかりと伝えましょう。
↓
・「私からも説明させてください」と伝え、各種メモを渡す
・前回の「訪問調査票と実態の違い」を渡し、前回の調査で不備があった点を伝える
・普段できないことについてお父さんが「できる」と答えたら、すぐに「普段は〇〇の介助が必要です」と補足する
前回と同様、調査員が相談者さんの話をちゃんと聞いてくれない場合は、「厚労省のマニュアルでは家族からも聞き取りを行うことになっているはず。私の話も聞いてください」と強く伝えましょう。遠慮は禁物です。
最後にケアマネジャーさんについて。
ケアマネジャーさんが「サービスを減らすかやめる必要がある」と言ったのは、要介護1のサービス利用枠が要介護3の枠より小さいからです。これは制度上の仕組みなので、ケアマネジャー個人で解決できる問題ではありません。
ただし、区分変更申請についての説明をしてくれなかった点については残念です。通常なら、こういうアドバイスをしてくれるはずなんですが。
要介護認定のやり直しに時間がかかるようなら、繋ぎ期間として「暫定ケアプラン」の利用が必要になるかもしれません。
上記のステップ1~6を進めるにあたって、ケアマネジャーさんに「区分変更申請をしたいのですが、手続きのサポートをお願いできますか?」と相談して、ステップ全体を共有。サポートしてもらえるところはおまかせしましょう。再調査当日にも立ち会ってもらうことをオススメします。
早速、ケアマネジャーさんに連絡したところ、「心配りができていなかった」と謝罪の言葉をいただきました。
これから協力してステップ1~6を進めていきます。





