父70歳、母68歳。ひとり娘の私は39歳。3人で家業である農家をやっています。両親が歳をとってきたこともあり、いつまで農業を続けられるのか不安な状況。私ひとりで田畑を守ることは難しいため、いずれ廃業して、働きに出る必要があるかと考えています。
働きに出ると、私が自宅で両親の介護を行うことはできなくなるので、誰か別の人のお世話になる必要があります。近所にも介護の車がよく停まっている家があるので、その家のようなサービスを利用したいです。本屋に行って介護の入門書を買ってみたんですが、恥ずかしながら、ほとんど理解できませんでした。介護保険というものに入る必要があるようなんですが、何から手をつけて良いのかわかりません。両親も本を読むのが大嫌いなので、私が入門書を渡しても見向きもしてくれませんでした。母から「私たちに何かあっても、娘のお前がいるから安心」と言われ、プレッシャーを感じています。
「わかりやすい」「介護」で検索するうちに、親ケア.comにたどり着きました。いくつか動画を見たんですが、体験談以外はどうにも難しそうで尻込みしています。
次の5つについて、教えてもらえないでしょうか?
①そもそもですが、私の家のように会社などで働いていない人でも、介護保険は入れるものなんでしょうか?
②どこかの保険会社に相談する必要があるんでしょうか?
③保険料はいくらかかるんでしょうか?
④介護保険に入った日から、サービスを利用できるんでしょうか?
⑤サービスの申し込みについても、保険会社に相談すれば良いんでしょうか?
介護保険は少しややこしく見えますが、最初に大事なことだけ押さえると、ぐっとわかりやすくなります。
まず、介護保険には「公的な介護保険」と「民間の介護保険」の2つがあります。 訪問介護など、いわゆる「介護のサービスを安く利用するため」に使うのは、基本的に公的な介護保険です。これは健康保険と似た仕組みで、介護が必要になったときに、サービス事業者へ支払う自己負担を軽くしてくれる制度です。
1つ目のご質問ですが、会社などで働いていない人でも、公的な介護保険には入れます。むしろ「入れるかどうかを自分で選ぶ」というより、40歳以上の人が対象になる公的な制度です。
お父さん70歳、お母さん68歳であれば、既に公的な介護保険の対象として、介護保険料を納めているはずです。相談者さんは39歳とのことなので、公的な介護保険料の負担が始まるのは40歳からになります。
2つ目の「どこかの保険会社に相談する必要があるのか」については、訪問介護などの公的サービスを考えるなら、相談先は、民間の保険会社ではなく、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターです。
ここは高齢者や家族の相談窓口で、どんな支援が必要かを整理し、使える制度やサービスにつないでくれます。まずは役所の代表電話に連絡して、「自宅の住所を伝え、「担当の地域包括支援センターを教えてください」と尋ねるのが良いと思います。
3つ目の保険料については、毎年6~7月に市町村から送られてくる「介護保険料額決定通知書」や「納付書」などを見ればわかります。書類が見当たらない場合、市町村の介護保険課にマイナンバーカード、介護保険証、認め印を持参して手続きを行えば、教えてもらうことが可能です。
4つ目の「介護保険に入った日からすぐサービスを使えるのか」についてですが、原則としてすぐではありません。
公的な介護保険でサービス利用料を安くするためには、先に「要介護認定」を受けて「要介護1~5」「要支援1~2」と判定される必要があります。
流れとしては、①申請、②訪問調査と主治医意見書、③審査判定、④認定、⑤ケアプラン作成、⑥サービス開始、という順番です。全体を通して、1~2か月はかかることが多いですね。
緊急でサービスを利用したい場合、「暫定ケアプラン」という裏ワザもあります。必要に応じて、地域包括支援センターにご相談ください。
5つ目の「サービスの申し込みも、保険会社に相談すればよいのか」については「NO」です。
相談先は、あくまで地域包括支援センター。「要介護1~5」と認定され、ケアマネジャーと契約を行ったら、ケアマネジャーに相談することになります。
ちなみに地域包括支援センターは、まだ介護が始まっていない段階でも相談できます。ご両親と一緒でなく、相談者さんだけで相談に行くこともできます。
将来への不安がある今の段階で、「どんなサービスがあるのか」「費用はだいたいどれくらいか」「親が元気なうちに何をしておけばよいか」を早めに聞いておくと、不安解消の役に立つのではないでしょうか。
最後に、民間の介護保険について少しだけ補足します。こちらは公的制度とは別で、がん保険のように自分で入るかどうかを決める保険です。条件に当てはまれば保険金を受け取れますが、訪問介護などの公的サービスの申し込み窓口にはなりません。そのため、今回のご相談で最初に動く先は、民間の保険会社ではなく、やはり地域包括支援センターです。
一つひとつの質問に対して、わかりやすくお答えいただいてありがとうございました。介護保険って2種類あるんですね。整理していただき、頭がスッキリしました。
ひとまず地元の地域包括支援センターに行って、いろいろと相談してみようと思います。






