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【第305回】ヘルパーさん脱力(2010年8月24日)

かなり自己主張の強いAさん。暴言に耐え切れなかったヘルパーもいます。そんな中、かなり頑張っていたヘルパーさんから電話がありました。意気消沈した様子です。

そのヘルパー訪問中に、Aさんあてに、離れて住む子どもさんから電話がかかってきたそうです。聞くともなしに耳に入ってきたその電話のやりとりが「ヘルパーは何にもしてくれない」という、なんともやりきれない親子の会話だったと言うのです。何にもしてくれないどころか、ヘルパーさんがいなければ生活が成り立たない一人暮らしのAさんです。その自由な生き方や性格から、ただでさえ関わりづらさを感じていたヘルパーさん、すっかり脱力して、誰かに聞いてほしくて電話を私にかけてきたというわけです。

先日は、Aさんに関わる訪問看護師さんからも同様のお電話がありました。「もう、私の中で最後の線が切れました。ある意味割り切れました」と言ってました。だからといって、Aさんに対してのケアをおろそかにするようなヘルパーでも看護師でもありません。ただ、ちょっと、やるせなさを感じたのですよね。いろんな方がいらっしゃいますもんね。

実際にケアをするわけではない、口だけの役割の私は、本当に頭が下がる思いです。せめて調整役として、家族さんとの連絡や橋渡しや、こうして電話で気持ちを聴くくらいのことは、しっかり担っていこうと思っています。

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