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【第130回】医師のひとこと(2009年4月13日)

ある往診の医師は、利用者さんにいとも簡単に指示をだされます。ある時は「今すぐベッドを入れてもらいなさい」。ある時は「ケアマネさんに本人の性格にあうデイサービスに代えてもらいなさい」。ある時はショートステイの相談をしていたところ、往診時に(つまり私がいないところで家族に)「ショートステイに行ったら、もっと大変なことになる(身体機能が低下する)からやめなさい」。今すぐって言われても手配のつかないこともある。あれこれ探してようやく辿り着いたデイサービスなんですけど。

ショートステイを利用したら身体機能が低下するって、もちろんそういう場合もあるけれど、そう言い切るのは施設さんに失礼です。見違えるように元気になって帰ってこられる方もおられます。そのリスクも想定した上での相談だったんだけどなぁ。と、言い分はあるし、一緒にご相談できたらとも思うのですが、この医師は「これはぼくの指示です」と言い放ちます。

ご家族さんやご本人さんにとって、医師のひとことは絶対です。医学的には正しいことかも知れなくても、暮らしとか関係とか事情とか状況とか、そういうモロモロを考えて導き出される結論は、また違うかもしれないということをほんの少しでもわかっていただけたらなと思うのです。

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