「薬」よりも「人」が大切!
家族で「軽度の認知症」の進行を少しでも遅らせる本
内門大丈 (監修)
内容
認知症介護のなかで、忙しさのあまりに「危ないからやめて」「きたないからやめて」「できないんだからやめて」「全部やってあげるから」とイライラしながら言葉を浴びせて、代わりにやっている人はいないだろうか。本書は患者本人もケアする側も幸せでいるための関わる「時」と「方法」を紹介している。
書評
認知症の進行を遅らせたいというのは、認知症患者本人や家族はもちろんのこと、医療や介護に携わる人すべてが願っていることだ。本書では近年の研究に基づいた科学的根拠(エビデンス)と、進行抑制効果が認められる23項目が紹介されている。
著者は、この23項目すべてをただ実践してほしくて紹介しているわけではない。認知症を避けるための「予防」と「治療」に目を向けがちだが、認知症は誰もがなる可能性のある病気で治療法は確立されていない。少なくとも現時点においては、一度認知症になると回復することはない。だからこそ認知症の人の幸福を願い、進行を遅らせたいなら「いま」を充実させることが大切だ。なぜなら、認知症の人の頭の中は「いま、この瞬間」だけで占められているのだから。
著者自身、もし自分が認知症になったら、いろいろなことがわからなくなったとしても周囲の人が前向きに関わってくれて、あたたかく寄り添ってくれたら嬉しいという。軽度の認知症なら新しい人間関係を築くこともできるし、お互いの「いま」をより楽しく嬉しい時間にする力もある。ここで紹介されている23項目は、軽度の認知症の人が普通の人以上に、人とより関わりを持つためのきっかけになるように感じた。



