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介護の本書評「review-kaigo」

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第365回 大切な家族の入院・介護でやるべきことのすべて

「親が突然倒れてしまった!」に備えていますか?

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

大切な家族の入院・介護でやるべきことのすべて
藤林慶子 (監修)

内容

親は突然倒れることは少なくない。むしろ倒れるとわかっていて倒れる人は少ない。たとえば、入退院の手続き、介護保険の申請、介護施設の選び方、かかるお金、自宅介護のやり方、親が認知症だった時にすべきこと…こんな突然起こるであろう事に備えている子どもがどのぐらいいるだろうか。「まだまだ若いから」と思っていても、親が倒れる瞬間は突然来るのだ。本書では、そんな事態に備えるための方法がわかりやすく記されている。

書評

老後を意識するのはいつからだろうか。
そもそも「老人」とは何歳からを言うのか?児童福祉法では18歳までが児童であり、少年法は20歳までを少年と規定しているが、老人福祉法では老人の年齢規定は存在しない。なぜなら、いつから老人なのかは極めて個人差が大きいからだ。

しかし、誰もが必ず老いていくことは間違いない。そして、それによって何かしらの問題を抱えるようになるのも間違いないことだ。そして、親の面倒を見ることになる子どもは、40歳あたりで自身の老いを認識し、同時に両親の健康の不安を感じるようになるそうだ。あんなに元気だった父が、あんなにしっかりしていた母が、と思うようになる時は必ずやってくる。親が年を取った時の準備は必ず必要であり、「介護離職」をしないためにも対応策を学ぶことは非常に重要なことと言える。

本書では、親が高齢になった時に備えることを予習するだけではなく、親である高齢者自身も具体的にどうすればよいかを学ぶことができる一冊となっている。親が入院した時や介護が必要になった時、あるいは認知症になってしまった時、住み慣れた自宅で介護を行う時、在宅介護が限界になった時、それぞれどう行動すれば良いのかが具体的に説明されている。

知識を持つことは不安を少なくしてくれる。本書を活用して、親の介護の不安、自分の老後の不安を少しでも軽くすることを筆者は願っている。

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