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介護の本書評「review-kaigo」

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第191回 親を、どうする?

とてもリアルだけどあたたかい。

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親を、どうする?
小林 裕美子 滝乃 みわこ

内容

お一人様のカスミ、共働きのハルカ、シングルマザーのサヨ、元同級生の3人が経験する親の老いと死。誰もが経験するのだが、誰にも言うことができない家族の不安にそっとより添う、まさに大人のコミックという言葉に相応しい一冊。

書評

少子高齢化がものすごいスピードで進行している日本において、今この旬菓も要介護者は確実に増えている。要介護者が増えるということは、介護する家族も増えているということ。10の家族があれば、介護の形も10通りある。どうにかなるさと明るく構えて日々を乗り切っていく家族もいれば、心労が重なり、体や心を病んでしまうほどつらい思いをする家族もある。

筆者が取材を進めていると、「介護は大変だったし、つらいこともいっぱいあったけど、介護が経験できて良かった」と、多くの家族が最後にそう言っていたのだそう。介護の経験を通して、人の優しさ、ぬくもり、感謝の言葉の大切さ、家族の存在、そして自分自身……。介護経験者は「介護そのものよりも、家族関係が一番大変だった」と語る人も少なくないそう。弱っていく親の姿、育児と介護が重なるストレス、夫婦や兄弟との関係の変化。そのどれもが他人にはなかなか話せない内容だったりする。

本書は介護マニュアルではなく、そんな「家族の不安」に寄り添える一冊だと言えるかもしれない。お一人様のカスミ、共働きのハルカ、シングルマザーのサヨ、という3人の主人公の経験は、これを手に取ったあなたの身に間もなく起こることかもしれないのだ。

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