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介護の本書評「review-kaigo」

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第149回 文藝春秋 SPECIAL (スペシャル) 2012年 09月号

老後の楽園はどこにあるのだろう

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文藝春秋 SPECIAL (スペシャル) 2012年 09月号 [雑誌]

内容

進学のために地方から都会へ出てきて47年。定年まで勤め上げ、退職金も含めて、多少の蓄えはある。通勤の心配がなくなり、都会に住む必要がなくなった。静かで季候が良く、食べ物が美味しい場所で妻と二人で生きていきたい。だが、そんな楽園は、日本のどこにあるのだろうか。

書評

本書では、文藝春秋が日本の47都道府県のどこに「老後の楽園」があるのかを総力を挙げて調査している。医療、介護、生活費、交通アクセス、美食、老人ホーム、行政サービス、娯楽などの視点から47都道府県を徹底的に調査している。例えば、娯楽ではどの都道府県がゴルフを安くプレーできるか、野鳥観察ならどこが最適かといった具合。

また、シニアグッズのコンシューマーレポートとして、車いすや補聴器、ステッキ、めがねなど、高齢者の生活に必須でありながら、若い頃には触れることのないグッズについても、具体的な商品推薦まで踏み込んで紹介している。そしてメインは文藝春秋らしく、「私の楽園」をテーマに、みなみこうせつや鈴木健二、おすぎら13人の著名人がエッセイを寄稿している。それぞれの著名人がさまざまな場所を自分の「楽園」として紹介している。

そして専門家がその立場から「楽園探し」に必要な考え方や注意点を紹介するコーナーも面白い。年金中心の生活をいかに楽しく過ごすか、楽園探しではまりがちな落とし穴、高齢者だからこそパソコンの扱いが必要なこと、なんとも耳の痛い話だが、その理由も含めて非常にわかりやすくその必要性が説明されている。「まだ介護のことを考えるのは早い」と思っている方におすすめ。

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