2012年の改正ポイントがよくわかる。
2012~2014年度版 図解 介護保険のサービス内容・料金早わかりガイド
中村聡樹
内容
2012年度は介護保険制度と介護報酬が同時に改正された。介護報酬はアップしたが、介護職員処遇改善費が介護報酬に取り込まれたことから,各事業の報酬は実質マイナス改定になっている。事業者にとっては介護事業の運営がさらに厳しさを増すことになっている。地域居住を推し進める考え方に転換された改正ポイントが解説されている。
書評
2012年の介護保険制度改革は、高齢者を受け入れる施設整備に重点を置いた施策から、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができる、地域居住を推し進める考え方に転換されている。
在宅介護サービスの利用に柔軟性を持たせて使い勝手をよくすることに重点を置いている。例えば、在宅介護の充足や小規模多機能型居宅サービスと訪問看護サービスの機能を併せ持った「複合型サービス」の創設などだ。一方、特別養護老人ホームなどは鈍化し、高齢者住宅の増加が進んでいる。そうした傾向を進めるためにも地域サービスがカギとなっている。
住み慣れた知で最後まで暮らし続けたい、という想いは誰しもが持っているもの。しかし、実現するには大きな課題があり、今回の介護保険制度は課題解決への対応策が盛り込まれていますが、まだまだ不十分。利用者は制度改正に右往左往するのではなく、上手なサービス利用者に成長する必要があると言えるだろう。本書は利用者でも介護保険のポイントがわかるようにまとめられている。サービス提供者も利用者のどちらにも役立つ一冊と言える。