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介護の本書評「review-kaigo」

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第106回 親の介護と仕事を両立させる本

シングル介護をやり抜くために必携の一冊。

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親の介護と仕事を両立させる本―30~40代独身のための
上原 喜光

内容

介護保険制度があるといっても、30〜40歳代の若い人たちが親の介護に直面したならば大変なことになるだろう。介護と9年以上関わりを持ってきた筆者は、自身も介護者として介護を行っている。そんな筆者が、今のうちに知っておくべき情報、知っていた方が後々、安心して介護にあたれるような情報をピックアップして掲載している。30〜40歳代は「もうそろそろ」介護のことを考えておかなければならない時期なのだ。

書評

介護保険法が制定されて10年以上。それでも、介護が始まると、介護者はつらくて寂しくて自分の人生はなんだろうと考える日々が続くという。でも、逃げるわけにはいかない。

逃げないためにも、介護保険法をよく理解することが重要だ。自分でやること、行政に頼むこと、ボランティアに任せること、人に頼んだり任せたりできる人はいつ終わるかもわからない介護を最後まで行うことができる、と筆者は語る。介護保険の知識があれば悩み事の半分は解決する、とも。利用できるサービスをめいっぱい利用し、家族を巻き込み、行政を活用して「頑張る介護」から「手を抜く介護」に切り替えることが、長く介護を続けるための必要条件なのだ。

独身介護者がこれからますます増える時代。彼らは誰よりも周到な介護に対する準備と心構えが必要だ。中途半端な気持ちで介護に突入すると、本当にとんでもない事態が待ち受けている。介護する人、される人の両方が不幸になる。ひとりで抱え込まずにつらいと言える環境を作ること。その上で親の晩節に付き添うことが大切なのかもしれない。

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