介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第244回 グループホームで誕生日(2007年5月27日)

2004年2月、グループホームBで父は83歳の誕生日を迎え、ホームの皆さんによる手作りケーキを囲んで誕生会をしていただきました。
たった2カ月しか入居しなかったけれど、父は誕生日を迎えたのです。
私は、と言うと、父の誕生日はヘルパー講習が丸一日あったので、父のもとへ行くことができませんでした。
前日に父と病院(泌尿器科の定期健診)へ行き、その帰りに父と駅ビルをブラブラしたり、ケーキを食べに喫茶店に入ったり、在宅の頃父とよくしていたような一日を過ごしました。
グループホームに戻ってからも、いつもの在宅時代のように私が散髪や髭剃りもして、翌日の誕生日に行けないぶん、充実した一日を過ごしました。

父がいつも通っていたデイでは、月ごとにまとめた誕生日会はやっていたようでしたが、個人個人でその日に祝ってもらったことはありません。
恐らく、こういう形での誕生会は父にとって最初で最後のことでした。
少人数の施設だからできる良い面ですね。
後に特養に入りますが、お祝いプレゼントはありましたが、個人個人、その日に誕生会をして皆で祝う形は取りませんでしたので。
父が83歳を迎えた誕生日は、グループホームの皆さんに父だけのために祝っていただき、後に写真でその様子を知ることができて、とても思い出に残ることでした。
父がちょっとむくれた顔をしているスナップ写真がありました。
職員さんの説明によると、最初、その場の状況を何だか理解できなくて父が怒っていたようでした。
あるある、そういうの…(笑)
「何だって?誰が誕生日なんだ??俺が誕生日??そんなの誰が決めた?!俺はそんなの知らんぞ!!」
多分、そんなことを言っていたのではないでしょうか?(笑)
せっかくの誕生日で長生きしているのにね~(笑)
むくれたその後、笑顔になった写真もありました。
ちょっと時間が経てば、さっき怒っていたことは、ケロッと忘れてくれる父ですから助かります(笑)

こうして、心尽くしのケーキやプレゼントで誕生日を祝っていただいて、元気な83歳を迎えた3年前のことでした。
その後、急に父は体が衰え、85歳までしか誕生日を迎えられなくなるとは、この頃は予想もできない程、とても元気でした。
元気な証拠に、特養入所が決まり、あと数日で特養に移るという晩、1時間ほど徘徊し、近所の玄関先で座り込んでいるのを発見されるという一幕もありました。
夜だったので知らせを受けた時、心配して私も探しに行こうと思っていた程でした。
体は丈夫で風邪もあまり引かず、健脚な父でしたが、認知力は相当衰えている要介護4、元気だけが取り得。
「いつも父が足手まといになって申し訳ありません」と職員さんに話すと、「ウチでは足でまといになるような人は一人もいません」とキッパリおっしゃった若い男性職員さん。
このグループホームで良かったな~とつくづく思いました。

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