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介護日記・二人の父の雑記帳

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第185回 昭和の良き日を思わせるタクさん語録 その1【認知症中期】 (2007年2月11日)

昨日の「タクさんの脅し文句」の「もんずーが来るぞ!」は「タクさん語録」に入れても良いような言葉でした。
この「もんずー」を言っていた時期は昭和30年代前半でした。
タクさんにとって昭和30~40年代とは、人生の充実期とも言える30歳代から40歳代の頃で、日本の高度成長期の頃でした。
大正10年生まれのタクさんにとって、「戦争体験」と「子供の頃の思い出」の次に、印象的な出来事の多い時期だったと思われます。
この昭和30~40年代に関するタクさんの言葉には、なかなか面白いものがあります。
認知症になっても、人生の印象的な時期の言葉などは、後々まで残っているものだと推測されます。
この時期(昭和30~40年代)に由来するタクさん語録と言えば、思いつくままにこんなのもあります。

◆「そんなこと言っちゃ、いや~ん、いや~ん」
これの省略形として「いや~ん、いや~ん」も使います。
これはこの時期の流行語の一つだったと思うのですが、よくわかりません。
私はてっきり小松政夫のフレーズだったと思ったのですが、ネットで調べると違うようでした。
小松政夫のフレーズで「知らない、知らない」があったので、私はこれと勘違いしていたのかもしれません。
「いや~ん、いや~ん」を言う時、タクさんは体を左右に振るのですが、これは「知らない、知らない」の動作と同じです。
ネットで調べたのですが、結局誰が言っていたのか、流行語なのかもわかりませんでした。
なべおさみ、かな?と思ったのですが、これも違いました。
もしかして、流行語っぽいけどタクさんの造語??
真実は、残念ながらわかりません。
体を左右に振りながら、ダダをこねるように「いや~ん、いや~ん」と言う時のタクさんは可愛かったです。
ちょっと対応に困るくらいでした(笑)

認知症中期、デイによく通っていた頃、時々言っていました。
また、認知症末期の亡くなる月の昨年10月に、こんな時期になっても「いや~ん」と言って、私を驚かせました。
まず、義父のイズさんは、こんな言葉と動作はしません。
頼んでも、恥ずかしがって絶対しないでしょう。
男のプライドが許しませんからね。
オチャメなタクさんならではのことです。
厳格で几帳面な父でしたが、こういう面が認知症になってからも多分にありました。
余談ですが、薬を飲ませる時に口を開けて粉薬を舌に乗せる時にも、「お口を開けてください」と私が言うと、「あ~ん!」と子供みたいに可愛らしく言って、しかもニヤッとして口を開けてくれました。
オチャメな一面です。
まだあるのですが、長くなるので次回に続きます。

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