介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

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第25回 哀しい特養入居者虐待事件(2006年8月8日)

8/6(日)付けニュース、起きてはならない哀しい事件が起きてしまいました。
本当はここで取り上げたくない事件ですが、一言物申します。

事件のあった特養は、タクさんが現在の特養(第一希望)に入る前に、滑り止め?として入所申込みをした特養でした。
施設見学をして、相談員と面談もして、良い印象の施設でした。
タクさんが現在の特養に入居して何カ月か経った頃、この特養から空きが出たので入所OKとのお知らせが来ました。
第一希望の現在の特養に、すでに入居していましたので辞退しましたが。

そのような経緯のある近隣の特養でこのような忌わしい虐待が行われていたとは…ショックでした。
また、記事にあるNPO法人「特養ホームを良くする市民の会」(東京都新宿区)の理事長は、先日タクさんの特養主催のシンポジウム「ユニットケアの明日」に出席されていた方です。

虐待で処分を受けた二人の男性職員は、30歳の方が勤続4年でヘルパー2級、21歳の方は介護福祉士だそうです。
キャリアのある30歳と、おそらく介護福祉系専門学校卒で介護福祉士を取得した21歳。
キャリアがあっても、専門の勉強をして資格を取得しても、介護の根本が全然できてないということですね。

施設側も家族がたびたび虐待の事実を伝えても、思い過ごしだと言って受け止めてくれなかったようです。
そのような態度の施設なので、虐待をするような現場職員が生まれる風潮ができてしまったのかもしれません。
二人の男性職員だけでなく、施設側にも問題大いに有りだと思います。

苑長や二人の男性職員の処分は甘過ぎだと思います。
今後、このような事件は減ることはないと思うので、甘い処分で許してはいけません。
今回の事件の関係者はトップも含めて厳重処分にしてほしいです。
そして、処分だけでなく、「介護とは?」を基本に立ち返って考えてほしいです。
もちろん、原因究明も怠ってはなりません。
もしも私の父がこの特養に入っていたら…このような虐待を受けていたら…考えたくもありません。

私の場合は、「自分が今の父のような状態だったら、どんな介護をされたいか?」を、心に置いて介護してきました。
この虐待職員達は、そんなこと考えてもいないのでしょうね?
キャリアを積んでも、資格を持っていても、被介護者の立場になって介護できない人は、それを仕事として続ける資格はないと思います。

介護する心ができていないプロの介護職。
どうしてそのようになったのか、原因は色々あると思いますが…とても哀しいですね。

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