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【第314回】もちろん!ぜひ!(2010年9月12日)

Aさんの配偶者さんから電話がありました。Aさんは以前ケアプランを担当していた方で、現在入院6カ月、在宅に戻りたい気持ちはあるけど、もしかして無理かなぁ…という状況です(以前、日記で話題になった“入院したのでケアマネとの契約は切れているけど、まったく関わらないというわけではなくて、そのつどご相談はお受けしますよ…”というスタンスのパターンですね)。

さてその配偶者さんから日曜日に電話!?何事かあったのかしら。それともうっかり平日と思っていらっしゃる?ケイタイなのでどなたからの電話なのかはわかります。そんなアレコレを頭に浮かべながら、出ないわけにもいかないな…と思って電話にでました。

すると第一声が「日曜日なのにごめんなさいね~。急ぎではないんだけど」。あらあら。日曜日とわかった上で、しかも急ぎではないとな!?この配偶者さんは、煮詰まるとお電話をくださいます。そしてひとしきりお話しになって(それこそ私が口を挟む余裕もないほどに)、「いや~時間をとってごめんなさいね。また何か困ったら相談させてくださいね」と自ら終了されます。さて今回も「これからどうなるのか」がお悩みでした。転院されたばかりなので、次のこと、あるいは、今後のことが心配なのですね。

そんなお話しの中、こんなことをおっしゃるのです。「今まで、介護や看病に自分の時間を費やしてきたけど、そろそろ少しくらい自分のために時間を使っても良いかなと思うようになった。」と。暑い夏の間も、ほとんど毎日病院に行っておられたようです。

「まずは、東京で同窓会があるから泊まりで行ってこようと思う。そして週に1回くらいは、自分の楽しみのために時間を使おうと計画を立て始めた。」そしてこうおっしゃいました。「そういうこと、許されますよね?」許されるも何も!もちろん!ぜひ!

私は、それはとても重要なことだし、必要なことだし、大切なことだと答えました。マラソンの途中の給水ポイントを欠かすことができないのと同様に、ご自身のリフレッシュの時間は何が何でも手にとらないといけないのです。「そうですよね…」とつぶやき、いつものように「また何かあったら電話させてくださいね」とおっしゃって電話終了。

これからのことはご心配でしょうけれど、ご入院ですから、病院にある程度はおまかせしましょう。そして配偶者さん自身のエネルギーをしっかり蓄えておいてくださいね。そんなことを思った日曜日の電話でした。緊急事態じゃなくて良かった♪

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