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【第76回】90歳を過ぎても(2008年11月18日)

90歳を過ぎて、良い意味で私の予想を裏切ってくださる方が2人おられます。
一人は90代後半の男性。何事にも前向きな方なのですが、なんと訪問リハビリを利用したいとのご希望です。「なんと」という言葉に私の先入観が表れていますね。
正直、この年齢で訪問リハビリ?と思ってしまいました。

ところが訪問リハビリを開始して2カ月もしないうちに、みるみる向上されていったのです。
今まで介助が必要だった車イスへの移乗も一人でなさるようになりました。
他にもお一人で出来る事が増えています。いい意味で予想外でした。
もう一人は90代前半の女性。転倒後、ベッドをレンタルされていたのですが、「もうだいぶ元気になったし、90年間ふとんの生活やったし、ベッドは落ち着かない。
ベッドはもう返す」とおっしゃるのです。
え~?返しちゃうの?今後のためにもずっとお使いいただいたほうが安心では…と思ったものの、とりあえず、ご希望通り引き上げました。
「必要ならいつでもすぐにまたお借りいただけますからね」なんて余計な念押しまでしている私。
ところが、その後順調に生活されているのです。
心配していた布団から立ち上がりも手すり不要。
出会った頃とは別人みたいにお元気になられています。驚きです。
90歳を過ぎたら老いの坂道を下るだけ…と無意識に思っていた私でしたが、そうではないことを教えてもらいました。何事も「年齢」ではないのですね。

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