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介護の本書評「review-kaigo」

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第294回 家族の介護で今できること

介護のロードマップをわかりやすく解説。

家族の介護で今できること
阿久津美栄子

内容

「家族が倒れた」、「誰に何を相談すれば良いのか」など、家族の介護は常に突然始まる。そんな突然の状況に備え、乗り切るためのための方法が、「介護のロードマップ」という考え方をもとに、具体的かつわかりやすく解説されている。

書評

誰もが考えていること、それは「介護なんて自分には関係ないずっと先の話」ということ。突然親の介護が始まると、常に手探り状態で進めることになり、考え方は次第にネガティブになっていく。どう行動すれば良いかわからない、前が見えなくて混乱する、といった状態に陥りがちだ。その結果、介護の全体像が把握できるような情報や知識を吸収する暇もなく、さらに迷いが深くなっていくという悪循環に陥っていくのだ。

家族が倒れて入院している期間は、これから始まるであろう介護のための「大切な準備期間」だと捉えるべきで、混乱した気持ちを収め、状況を良い方向に向けるために、正しい情報と知識を吸収する必要がある。それは筆者自身が体感した結果でもあるという。
情報や知識を持たないまま介護を始めることは、羅針盤を持たずに荒波に乗り出すようなものだ、と筆者。

本書は筆者自身の介護経験をもとに、介護初心者が迷わず、適切に正しい情報を知識が得られるように、必要な情報だけを抽出した上で掲載されている。いわゆる「介護の具体的な初動案内書」だという。

介護の準備が必要なのは、「残された家族との時間をできるだけ幸福に過ごすため」だからだという。介護する事態に直面した人は、まず本書で情報と知識を吸収し、自分の家族に当てはまることをひとつずつ試してみて欲しい。

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