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介護の本書評「review-kaigo」

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第240回 40代女性マンガ家が訪問介護ヘルパーになったら

素人が介護職をゼロから始めてみました。

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40代女性マンガ家が訪問介護ヘルパーになったら (Jour)
吉田美紀子

内容

4コマ漫画を主戦場として20年間マンガ家生活を送っていた筆者が、訪問介護ヘルパーの仕事をこなすようになるまでのエピソードと、訪問介護ヘルパーとして出会ったひとびとや現場でのエピソードが面白おかしく紹介されている。

書評

40歳バツイチ子どもなし、20年ほどマンガ家をやっている筆者。一次は連載10本を持っていたことも。そんな筆者が漫画の仕事が減少してきたことを機に、別の仕事に取り組んでみようと介護職員初任者研修を受講して、訪問介護ヘルパーの仕事をはじめた。

本書では、講習受講から就職活動、そして実際に訪問介護ヘルパーとして担当した利用者たちとのエピソードが漫画で描かれている。介護初任者は研修を受けるだけでよく、試験などがない資格だ。

やはり利用者として登場する「リボンたん」「姫ちゃん」「教授さん」「エロさん」のあだ名は、その利用者の行動や性格を表しており、思わず笑わずにいられないエピソードが満載だ。本当に筆者を困らせるにもかかわらず、何となく憎めない利用者もおり、漫画という媒体の性格もあって思わず笑ってしまう。

筆者も仕事をはじめる前は、「ドロドロした世界が展開していたらどうしよう」と思っていたらしいが、そんな想いとは裏腹の現場ばかりだったという。もちろん、非良心的な職場もあるだろうが、筆者自身も人に恵まれていたと述べている。現在は介護と保育施設のヘルパー、そしてマンガ家という「三足のわらじ」を履いているという筆者。周囲からは「マンガ家だけの頃に比べて、憑き物が落ちたような顔になった」と言われているそうで、今の生活が自分には合っていると考えているそうだ。

これから介護業界で働こうと考えている人にとっては、参考になる内容がたくさん紹介されている。

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