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介護の本書評「review-kaigo」

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第214回 ミツみっちゃん介護日記

たいへんだけど、げんきだよ。

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めざせ100歳! ミツみっちゃん介護日記─母ちゃんが“サナギ"になる日まで
河野 やし

内容

96歳の母親を自宅で介護することになったとある漫画家の介護奮闘記。長生きすればするほど介護の負担が増していく中で、この貴重な体験をマンガにすることで割らし飛ばしてしまおうと考えた筆者。すると、90歳を優に超えた母の「生きる力」が見えてきた。

書評

6人兄弟の末っ子で、甘やかされて育った筆者。介護をすることをマンガのネタ探しの場にしてしまうことで、イライラすることやカリカリすることも、ネタだと思えば笑えるエピソードになったという。

老いていく様子を「さなぎに進化中」としたり、脳梗塞で倒れた時の様子も事細かに描かれている。マンガ全編から感じるのはミツみっちゃん自身の「生きる力」と周囲の人々の愛だ。ミツみっちゃんの生活は、周囲の人の協力と親切で支えられている。

筆者は漫画を描きながらミツみっちゃんを見守る。その一日はこんな感じだ。手足の動きや食欲、熱の有無を見る。そしてデイサービスから戻ると話に付き合う。そして夜中もきちんと息をしているか見守る。これからもミツみっちゃんは生き続ける。最後まで面倒見られるのが幸運だと思える、と筆者。「これからもミツみっちゃんは生き続ける。僕の人生にグイグイ食い込みながら。そしてきっと色んな意味でみんなを幸せにする。」という言葉、そして笑って共感して和んでもらえればそれで良いという筆者の想いが感じられる一冊だ。

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