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介護の本書評「review-kaigo」

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第155回 子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい

自分の最後は自分で決めよう

子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい
米山公啓

内容

病気について予防や治療をどうすれば良いか、いつも考えてきた。同じように医師は病気の診断と治療を中心に研究や臨床を行ってきた。結果的に、介護が必要になる脳卒中や認知症が増えることとなった。急性の病気で死ぬ可能性が低い今、終末医療の選択は本人が事前に考え、決めておくべきだという。

書評

どんなに素晴らしい介護をしても最後には死が待っている。今の医学は死というものをどのように迎えるべきかということについて、十分に考えられていない。延命措置の方法はいろいろあるが、充実した死の迎えたという選択肢がないのだ。

高齢化社会がさらに進んでいけば、どのような最期を迎えるかについて、多くの人が関心を寄せることになるだろう。現時点では、病気の治療や介護に関する情報はたくさんあるが、死の迎え方に関する情報がほとんど無い、と筆者。そのため、どこで治療を打ち切るべきか、どこで安らかな死を迎えれば良いのか問題にされることはほとんど無かった。

本書は、自分の最期をどう迎えるべきか、医学的情報と周囲への伝え方を解説している。死を否定的に捉えているのではなく、最後を充実したものにするためにもはっきりと自分の意思を周囲に伝えておくことが大切なのだ。

今の医療は患者が選べる時代。ならば、病気の最後も患者自身が選べるはずだ、と筆者。悔いの無い人間の尊厳を保った最期をどうすれば迎えることができるのか、家族に迷惑が掛からない最期はどういうものなのか、詳しく解説されている。

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