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介護の本書評「review-kaigo」

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第146回 訪問看護の泣き笑い

訪問看護には病院とは異なる看護がある。

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訪問看護の泣き笑い あなたのお宅へ今日もゆく(発行:洛和会ヘルスケアシステム 介護支援部 介護事業部)
訪問看護書籍編集委員会

内容

ベテラン訪問看護師が交代で日々の体験を書き込んだブログをもとに、新たな原稿を加えてまとめられたのが本書である。訪問看護には、病院の看護とは違う看護の形があるようだ。訪問看護現場のスタッフの想いがたっぷりと詰め込まれた一冊だ。

書評

超高齢化社会を迎えた現在、病院は治療の場であり、治療が終わると自宅や施設などに移らなければならなくなってきている。在宅の医療ニーズが高まる一方で老老介護や独居世帯の増加など、在宅看護で生活することは難しくなりつつもある。

そんな中、淡々とした仕事のように見える訪問看護の仕事。しかし、家庭内の問題に巻き込まれたり、利用者と意思の間に立って苦労している。在宅医療は、病院に比べて医師や看護師の目に触れる機会が少なく、相談するのも気軽にできないのが現状だ。そのため、この書籍を執筆した訪問看護師が所属する施設は、病棟経験3年以上、もしくは1年間の訪問看護研修が義務づけられているという。それだけの経験と臨機応変な対応が必要なのだ。

介護保険法の改正により、定期巡回、随時対応型訪問看護と複合型サービスが開始された。さらに、介護職の職務領域はどんどん広がっている。そんな中で訪問看護のニーズはますます高まっている。さらには、看護職と介護職のスタッフが協働したり、お互いの職務領域をフォローし合うようなことも求められるだろう、と筆者は語る。本書は、介護や看護の仕事を目指す人が一人でも増えること目指して作られた現場の人々の声だ。ぜひ読んでみていただきたい。

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