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介護の本書評「review-kaigo」

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第91回 ひとり暮らし安心術

いつかの時に、すぐに役立つ62の実践例を掲載!

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老後を豊かに生きるひとり暮らし安心術
石川由紀

内容

老後に対して「蓄えはいくら必要か?」「病気になったらどうすればいいのか?」という思いは、誰もが抱えていること。本書は老後に必要な資金の試算法から、無駄な保険の見直し方、身内を保証人にしない家の借り方をはじめ、良い医者の見分け方、日常の防犯術、円滑な人付き合いをする方法、遺言書の書き方など、「まだ老後のことなんて……」と考えている人にも役に立つ内容が満載されている。

書評

少子高齢化の現在、高齢者世帯やシングルの単身者が増え続けて、東京では半数に達しようとしている。それでも「老後のひとり暮らし=不便、不利、孤独」というイメージが消えることはなく、むしろ強まるばかりだ。だが、実際にはそんなことはなく、工夫次第でマイナス要因はいくらでもプラスに変えることができるという。

本書はあらゆるシングルが、不安なく快適なひとり暮らしをするためのノウハウが詰まっている。筆者が20年間の活動の中から得てきた生活の知恵や技がまとめられているのだ。しかも、紹介されているのはどれも手軽に実行できるものばかり。これからの老後に備えたい人も、すでに老後を迎えている人も今すぐに役立てられる内容ばかりだと言える。

これからの老後を「自立」して過ごすために必要なのは、「何でも自分ひとりで処理する能力」ではないという。子どもの時は「できないことをできるようにする」が自立だが、老齢期の自立は「できなくなっていくことをひとつずつ人に委ね、優しい関係を築くこと」だという。だから、本書には生活の知恵だけではなく、人間関係づくりのヒントも掲載されているだ、と納得した。

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