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介護の本書評「review-kaigo」

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第76回 自宅でかんたん認知症診断ブック

通院せずにドリル感覚で認知症診断が試せます。

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自宅でかんたん 認知症診断ブック
河野 和彦

内容

不況などで社会的不安が増大する中で、うつ病と認知症の区別が非常に難しいという。そして認知症こそ、早期発見が非常に大切な病気だという。本書では、家庭で気軽にできるテストがまとめられている。もちろん、手軽ではあるが信頼度に欠けるわけではなく、医師のそのデータを提供すれば重要な参考データになるという。

書評

認知症は学問としてはまだ歴史も浅く、認知症を学習する機会は医学部に進んでも多くないという。しかも、症状はケースバイケースなだけに医学書を読んでも診断や治療のコツはなかなかわからないという。

だが、認知症は高度医療に頼らなくても早期発見が可能な病気だという。それは長谷川式知能スケールが開発され、短時間でおおよその診断ができるようになったからに他ならない。本書は、26年間認知症診断に携わる医師が過去の経験やノウハウを生かして作成している。だが、長年患者と一緒に暮らしてきた家族こそが、最も鋭敏に変化に気づくことができる、と筆者は語っている。筆者は「早期発見は医師に頼るな、家族こそが名医である」とよく語るそうだ。

本書の目的は二つ。一つ目は、認知症かどうかを家庭で気軽に検査したいという要望に応えること。二つ目は、医師と家族との意思疎通をスムーズにして、両者の架け橋となること。しかしながら、本書を使用してテストの成績が悪いことを悲観したり恐れたりしてはいけない。先ほども書いた通り、むしろ認知症の疑いがあるならば、一刻も早く発見することが家族のつとめであり、同時に救いに繋がることなのだから……。

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