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介護の本書評「review-kaigo」

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第65回 介護入門-親の老後にいくらかかるか?

日本は、この先長生きしても損をするだけなのか!?

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介護入門 親の老後にいくらかかるか? (ちくま新書)
結城 康博

内容

老老介護、介護殺人、介護自殺……介護にまつわる事件が後を絶たない現代社会。介護保険が施行されて10年、日本の介護を取り巻く現状は何ら変化していないと言える。それでも介護はやってくる。安心した介護生活を送る方法をインタビューを繰り返しながら模索する。

書評

現在、介護業界は人手不足で、高齢者自身のサービスの質に大きな影響を及ぼしている。若年層はなかなか福祉の道に進もうとしないという。転職によって介護業界を志す人は多いかもしれないが、やはり若い世代に魅了的に映らなければ、産業としての介護業界は発展しないと筆者は語っている。高齢者が増え続ける現代社会において、若い世代に「介護業界」の魅力を感じてもらえなければ、良い介護サービスが一般化することは難しく、一部の富裕層しか安定した良質なサービスを享受できないという状況に陥ってしまうという。

本書では、さまざまな立場で介護に関わる人々にインタビューを行い、わかりにくい介護の仕組みが解説されている。

本書で最も感じたことは、介護保険制度では、介護保険証があったとしてもすぐに施設入所したり、ヘルパーに頼めるわけではないということ。健康保険証と違い、保険証を持参しただけではすぐに介護保険サービスを利用することはできないということ。初めて被介護の立場になった時、混乱するのは当然だと感じた。

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