介護のコラムを読む

介護日記・二人の父の雑記帳

戻る

第97回 呼び寄せ介護と通い介護 その1(2006年10月19日)

私の父、現在特養にいるタクさんの場合、「呼び寄せ&通い介護」でした。
老健にいる義父のイズさんも通い介護から始まって、私の自宅近くの老健に呼び寄せました。

【タクさんの呼び寄せを可能にした条件】
◆父が当時住んでいた家は相当お気に入りの家であったが、長男(私の弟)と二人住まいにしては広過ぎて持て余していた。
◆当時、父がこの家に住んで十数年経っていたが、住んで2年後に妻が亡くなったため、近所付き合いはあまり深くなかった。
◆家に未練はあったが、土地に未練はなかった。
◆認知症を発症する数年前から、こちら(私の住む家近く)方面に来たい気持ちが多少あった。
◆呼び寄せした当時私が住んでいた家は、元々は私が独身の頃家族で十数年住んでいた家だったので、父はこちら方面をよく知っていて馴染みがあった。
◆私の家近くの方が、父が最も気にしていた田舎の先祖代々のお墓と田舎の親戚に近くなる。
◆父が住む呼び寄せ先として、好条件、好立地なマンションがあることに前々から私が目をつけていた。
◆そのマンションの一室が都合良く空きが出た。
◆マンションの空きが出たと同時に、それまで住んでいた家の売却も済み、マンションを購入、しかも黒字利益となった。
◆父と同居の弟にとっても、引越したマンションの方が通勤や生活に便利だった。
◆父の引越し先のマンションは私が通うのに自転車で7~8分と近い距離だった。
◆通い介護の手段として、自転車だけでなく、バスも使え(我が家には車がない)、
この周辺では本数の最も多いバス路線で、我が家と同じ路線だった。
(我が家は終点で、父のマンションはその途中のバス停)

【一般的な場合の呼び寄せ介護成功の条件】
◆今まで住んでいた土地に未練がないこと。
◆体の状態があまり悪化していない時期(安定期)であること。
認知症の徘徊等の周辺症状がない時期であること。(認知症初期の時期が望ましい)
◆移り住む土地や家の方が今までよりも何事にも条件が良いこと。
◆移り住む家の購入、または、賃貸の資金繰りがつくこと。
◆移り住んだ後の生活費等の費用の判断がつくこと。
◆介護する家族の家に近いこと。(すぐ駆けつけられる距離)
◆呼び寄せ先と呼び寄せ後のことを納得行くよう話し、呼び寄せがどのように良いかを粘り強く説得すること。
◆年配者はお墓がある場合、お墓を大事にするので、墓所に行くのに都合の良い場所であること。
◆年配者は冠婚葬祭の行事も多いので、親戚関係との兼ね合いを考えて、都合の良い場所であること。

【タクさんを呼び寄せ後】
◆認知症の人の環境を変えると悪化すると言われるが、父の場合は悪化せず馴染んでくれた。
恐らく、当時認知症初期で、新しい環境に適応する能力がまだあったのではないかと思う。
◆予想通り、毎日介護に通うのに、かなり便利な場所だったので10年通うことができた。
◆独居ではなく同居人の長男(私の弟)が居たので、
認知症が進行しても何とかギリギリまで在宅で対応できた。

次回は現在老健に居る義父、イズさんの場合を書いてみたいと思います。

[参照]
>ボケたタクさんの元へ通い始めた頃【認知症初期】
>タクさんの病歴と経過その1
>タクさんの病歴と経過その2

親ケア.comオンラインサービス「繋がる」
おやろぐ